『モノクロ』
滲んだような 単色の
日々の彩り しょっぱいね
愛は転がる 意志となり
濃淡付けてく 筆となる
風の匂いに 誘われて
花を手折れば 枯れてゆく
眺める空が 落ちてくる
どうにもならない 過去になる
ピコン!とスマホは 言うけれど
期待はいつも モノクロのまま
『靴紐』
靴紐が ほどけているよ
それが言えずに となりを歩いた
気になって 言いたいけれど
中途半端な 関係だから?
靴紐が ほどけているよ
誰も困らない どうでもいいこと
転ぶかも? 心配してる?
そこまで親しい 関係じゃない
靴紐が ほどけているよ
言えば「ありがと」 それで終わりなんだ
世の中って 簡単なのに
出来ないことって 多いと思う
靴の中 石が入っちゃった
それでこっそり 気づかせてあげた
優しさは 自分のために
スッキリしたから お腹がすいた
『答えは、まだ』
反逆者のしずく
傍観者の朝
裏切りの紅葉
足音はスナイパー
青ざめたカラス
愛しさの真珠
生臭い雨
歌声はララバイ
鍵付きの未練
焼け焦げた純情
軒先に小鳥
出迎えたオーロラ
さよならはポストに
ごめんは鞄に
愛してるは湖に
痛みはシエスタ
答えは、まだ
騒ぎだす森
やっかいな迷路
約束の無言
答えは、まだ
それさえも秋風
冬眠の準備
そのすべてが帰り道
『センチメンタル・ジャーニー』
大好きだった 推しのタオルも
いつしかタンスの いちばん奥に
流行り廃りに 流されやすい
これでもわたしも 乙女のはしくれ
告白されりゃ ドキドキしちゃう
いろんな未来も イメージしちゃう
それでもちょっぴり こわくてことわる
そうしてその夜 センチメンタル・ジャーニー
いつかは本気の 彼氏に会いたい
わたしから口説きて 夢中にさせたい
「好きだ」と照れてる 真っ赤なほっぺに
ファーストキスを 捧げるの
優しくされたり 呼び捨てされたり
手と手が触れても 意識してしまう
まわりは早くて 恋バナばかり
取り残されてく センチメンタル・ジャーニー
いつかは彼氏と 旅行に行きたい
友だちといっしょと 親には嘘ついて
夢の国に行けたら そろいのグッズ付け
3人でまた 来たいと…言うの
『君と見上げる月…🌙』
月はほんとに あるのだろうか
二人に愛は 存在したのか
口下手だから 確かめてない
見上げるだけの 輝きに似てる
夢を語れば 夜空が飛べて
過去を振り返り 寄り添い泣いた
例え幻…だったとしても
見上げた月は いつでもあった
他人の心は 暗闇にある
すみかを探せば 傷つくだろうか
だから黙って 孤独がふたつ
君と見上げる 月を信じる