『青い風』
恋が黄色い 鳥ならば
雨に打たれて 死ぬだろう
誰かが隠し 飼ったなら
そいつは死ぬまで 泣くだろう
「笑えないの」と 酒を飲み
俺に甘えた 死神よ
幸せ⋯やりたく なったなら
翌朝、死体で 浮くだろう
それでも それでも 愛したい
青春みたいな 風が吹く
わがまま 偽善も かまわない
本気で愛して みたくなる
そんな 女の 愚痴を聞き
俺は 青い 風になる
『遠くへ行きたい』
北海道や 沖縄へ
北や南へ 行ってみたい
海外旅行も いいけれど
日本語圏内 それがいい
遠くへ行きたい できるだけ
現実なんかを 捨てるよう
遠くへ行きたい 変わりたい
知らない世界で はしゃぎたい
真っ暗闇の 住処では
酸素も未来も 減るばかり
お金はちっとも ないけれど
驚きたいんだ 死ぬ前に
遠くへ行きたい こんなにも
世界は広いと 感じたい
北海道や 沖縄へ
「わたしは生きてる」叫びたい
『クリスタル』
限りなく透明に近い
クリスタル
時に 恋や愛であり
時に 命や未来のようだ
儚くて叩けば割れる
クリスタル
それは 憎しみでもあり
それは 愛しさの裏返しだ
かざしたらキラキラとひかる
クリスタル
生きる 苦しみでもあり
生きる 言い訳みたいな涙か
限りなく透明に近い
クリスタル
きみは そこに何を見てる?
ぼくは 閉じ籠もる少女を、助けたい
『夏の匂い』
熱い空気と 青臭さ
汗にカビ臭 他人のにおい
不快不愉快 隠せずに
そんな自分を 持て余す
席を譲れば「老人じゃない」
「妊婦じゃない」と 恥をかく
強い冷房 体調崩し
食欲不振と 熱中症
夜の河川で 花火見る
しあわせそうだと 嫉妬する
夏の匂いは わがままだ
ひとりぼっちを 否定する
『カーテン』
何も変わらないのに
カーテンを開けただけで
世界と繋がる気がする
逆にカーテンを閉じ
昼間でも真っ暗だと
宇宙をさまよう気がする
遮光カーテンを買い
レースカーテンも買い
私は扉を手にする
それは勇気のようね
出し入れで変わる世界
自分で決めれる未来さ
少し怖くもあって
カーテンを開けられない
見なけりゃ傷つかないんだ
今日は開けてみようか?
カーテンのそとが見たい
昨日の私はもういない