『夢じゃない』
知覚過敏を耐えながら
堪能していたかき氷
頭にキーンが来たけれど
真夏はこれが一番だ
テレビが壊れてクルマ故障
差し歯が取れて大失恋
すべてがまぼろしだったなら……
最後のひとくち頬張った
お金がどんどん飛んでゆく
増えない収入、悲しいね
靴もよく見りゃきたなくて
散髪代はカット中
人の群れへと入り込む
暑くて臭くてうるさくて
弱り目たたり目、死にたいめ
どうしてこんなに生き辛い
夢見るならば笑いたい
今日は会話もしていない
請求書の額、見たくない
あなたのLINEもなにもない
現実逃避のご馳走が
回転寿司から、かき氷
自宅に帰ってカギを挿す
一気に生活感、夢じゃない
『心の羅針盤』
進め 進め 舵を切れ
迷うことなく あの場所へ
示す 心の 羅針盤
困難突っ込み ど真ん中
痛い 辛い 息苦しい
それを求めて 生きるよう
朝が 昼が 宵闇が
焦らしあせらし 煽ってく
風が 雨が 嵐呼び
遭難 転覆 その寸前
頼る 心の 羅針盤
あなたを探して クルクルクル
夢だ 愛だ なんなんだ
救命ボートにも なりゃしねぇー
進め 進め 舵を切れ
なりたいわたしが いる場所へ
『またね』
そこが海底でも
砂漠や荒野
だったとしても
人は孤独じゃない
うんざりするほど
客が来るんだ
まるで死んだように
呼吸も止めて
ねむっていたい
朝がたたき起こす
みじめな昼に
絶望の夜
疲れ果てていても
トラブルがあり
処理に追われる
だけど、あなただけは
邪魔されたくて
待って……しまう
恋や愛も捨てて
未来も捨てて
1人でいいのに
すごく、希望が怖い
なのに言っちゃう
背中に……「またね」
『泡になりたい』
海中 深く深く 沈んでく
プクプク ブブブ のぼる……泡
生きると死ぬの 境界線
意識は安寧 求めてる
自分が 嫌い嫌い でも好きで
プクプク 呼吸 したくなる
愛して欲しい でもいいの
この世はみにくい 国だった
心が 痛い痛い めちゃ痛い
プクプク 海面 のぼる……泡
「会いたい」ひとって いたっけな?
泣いてるみたいな 白い泡
海底 とても深く 暗闇で
プクプク ブブブ 見えな……くて
あきらめている なにもかも
それでもなりたい のぼる泡に
『眩しくて』
最低最悪 クソって言ってる
その人生さえ あこがれなんだよ
なんにもないんだ ギリギリ生きてて
死んだら誰もが 助かる命さ
しんどい、苦しい、悲しい、淋しい
そのぶん小さな 幸せは多い
眩しくて眩しくて どうしようもないんだ
他人の不幸で 癒やされてもいる
眩しくて眩しくて 叫びたくなってる
一緒に地獄へ 堕ちてくれませんか
最低最悪 クソって言ってる
その人生さえ 死ぬほど眩しくて