『熱い鼓動』
ただ座ってるだけなのに
ドクンドクン…と高鳴って
テレビ画面の向こうでは
プレイボール!の手があがる
高校野球の甲子園
今年の地元は強いらしい
ドラフト候補もいるらしく
にわかファンだが応援団
意外に打たれて落ち込んで
逆転したなら大絶叫
ピンチじゃ手に汗…ドキドキで
最後の一球…息を呑む
ふるさと自慢がしたくなる
訛りを使って話したい
結局、ビールで大はしゃぎ
次戦の相手も研究だ
負ければ青春終わってく
真夏の悲しい熱い鼓動
いろんなドラマがあるだろう
決勝戦まで、行ってくれ
『タイミング』
瞬間、瞬間、変わる感情
そうだ、こうだと、揺れてる思い
どうして怒って しまったのだろう
あんな言葉に 笑ったのだろう
すべてタイミング
めぐり合わせ……なの?
昼でも、夜でも、違う感じで
なんで、いやだな、悔いてるばかり
素直な気持ちを なくしたのだろう
いつも気遣い 身構えてしまう
それはタイミング
変わっていくの……かな?
すべてタイミング
めぐり会える……かな?
『虹のはじまりを探して』
雨があがれば ひかりが射して
七色の虹 そらにかかる
それは科学で 希望じゃないが
美しさには 従いたい
どんな出会いも 意味などないが
理由が欲しい 思いもある
きっとはじまり 見つけてみせる
あなたの心 動かしたい
それがふたりを どこまではこぶ
虹の彼方へ 行けるのか?
虹のはじまり 探してるんだ
どしゃぶりのなか 濡れながら……
『オアシス』
毒を飲み干す その瞬間が
オアシスなんだと あなたは言った
ドォーンとだれかを 突き落とすような
運命の支配も 癒やしに変わる
のどを渇かす この人生が
生きづらいけれど 大切なんだ
まるで砂漠の 果てない砂が
何度もわたしを 邪魔するように
それでもすすむ まえへとすすむ
あなたに会う日を 信じてすすむ
そしていつしか たどり着くだろう
オアシスみたいな 休息の地に
死さえそれでも まぼろしだって
オアシスにしない 現実を生きる
オアシス、オアシス、オアシス、なんて
目的じゃない 通過の場所さ
『涙の跡』
目ヤニでまぶたが 開かない
どれほど私は 泣いたのか
固まり閉ざした その愛を
爪で引っ掻き 取り除く
愛しているのに 怖いのか
あなたの代わりは いないのに
死にものぐるいも いいけれど
死ぬほど苦しい 虫の息
顔をバシャバシャ 洗っても
うっすら霞んだ この世界
涙の跡など 消し去って
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