『どうしてこの世界は』


　どうしてこの世界は
　真っ暗なんだろう
　輝く人生なんて
　一瞬あるかどうか

　誰もが黙って寝ている
　平面のページの中
　ひとりじゃ意味にもなれず
　読まれて、やっと生きる

　どうしてこの世界は
　紙本を棄てるのか
　文字として生まれてきても
　デジタルを羨むばかり

　手触りや匂いや縦書きを
　愛してくれる人もいる
　涙を受け止め滲む
　活字のしあわせなんだ

　どうしてこの世界は
　開かないんだろう
　僕らはまだ死んでない
　いつでも、待っているよ



　

『君と歩いた道』



　でこぼこの砂利道　田んぼ道
　山肌の登り道　下り坂
　ため息を落とすたび　雲になる
　時計を見るたび　雨になる

　人生はいつだって　天候悪化
　急激に移りゆく　修羅場道
　ひとことも話さずに　そばにいる
　もう一人の私が　泣いている

　どれだけ歩いたら　着くのだろう
　リュックのおむすびも　無くなった
　昼だっけ？夜だっけ？　わからない
　遭難したって　ことなのかな？

　森林を抜けたって　また山だ
　虫が飛ぶ獣道　崖登り
　わかっているのは　止まったら
　私が死ぬって　ことだけさ

　雨がやみ少しだけ　陽が射した
　小川の水を飲み　背を伸ばす
　寄り添ってくれていた　その人に
　いつかは言いたい　ありがとう…と

『夢見る少女のように』



　親は褒めるんだ
　祖父母は甘やかすんだ
　美人、天才、オリンピック選手
　未来は簡単
　選びたい放題って

　あれ？って思うんだ
　学校は戦場なんだ
　ふつう？、凡人？、ブザイク？、バカ？
　上にはいっぱい
　現実を知ってゆく

　夢は見ちゃうんだ
　奇跡は起こるはずだって
　勉強、スポーツ、努力だ、努力って
　それでも限界
　底辺に、落ちてゆく

　ちょっと疲れたんだ
　気遣って生きてくことに
　ごめん、すみません、申し訳ありません
　あやまってばかりだ
　生きるってなんだろう？

　他人と比べちゃう
　すごいって、うらやましがる
　だねど、でもね、やっばり、くやしい
　夢見る少女で
　オトナを、生きてみたいな


　
　
　

『さあ行こう』



　学校　仕事　家事に　親だって
　休んでいいよ　投げ出しちゃおう‼️

　誰かが　困って　泣かせて　怒らせ
　心配してたら　生きてられないよ

　さあ行こう　どこかへ行こう
　おうちに帰って　ゲームやっちゃう？

　さあ行こう　お金も使おう
　タブーや常識　責任奴隷と　サヨナラだ

　同じ　レールを　大勢　歩いてる
　はみ出りゃ崖から　落ちると注意する

　僕らは　機械じゃ　AIじゃ　ないんだ
　止まって　落ちても　死なない　道はある

　さあ行こう　どこかへ行こう
　あきらめない限り　終わりは無いんだよ
　
　さあ行こう　なんでもやろう
　世の中きっと　助けてくれるよ　優しいよ

　さあ行こう　「助けて」って言おう‼️
　誰かじゃなくって　自分の人生　生きようね

『水たまりに映る空』



　駅前のコンクリートの前庭が
　雨上がり、でっかい水たまりになって
　そして鮮やかに大空を映してた

　僕はこの自然が描いた一瞬が
　本物より、美しいと感動してた
　それは儚さと切なさと共鳴してた

　人生が幻のように過ぎてゆく
　淋しくて、旅立つ人たちを止めたくて
　しかし見送るしか出来ず泣いていた

　駅前のだだっ広い水たまりに映る空
　人々が、容赦なく踏みつけて歩いてく
　それが私の過去と重なってゆく

　さぁ歩こう⋯この一歩が翼のように
　雨上がり、私は大空を飛ぶ鳥になる
　きっと見送った人の分まで、飛んでみせる