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『君と歩いた道』



 でこぼこの砂利道 田んぼ道
 山肌の登り道 下り坂
 ため息を落とすたび 雲になる
 時計を見るたび 雨になる

 人生はいつだって 天候悪化
 急激に移りゆく 修羅場道
 ひとことも話さずに そばにいる
 もう一人の私が 泣いている

 どれだけ歩いたら 着くのだろう
 リュックのおむすびも 無くなった
 昼だっけ?夜だっけ? わからない
 遭難したって ことなのかな?

 森林を抜けたって また山だ
 虫が飛ぶ獣道 崖登り
 わかっているのは 止まったら
 私が死ぬって ことだけさ

 雨がやみ少しだけ 陽が射した
 小川の水を飲み 背を伸ばす
 寄り添ってくれていた その人に
 いつかは言いたい ありがとう…と






6/8/2025, 10:37:16 AM