『記憶の海』
深く、どこまでも青い海
光を吸い込み、静かに揺蕩う
波の音は遠い日の囁き
砂浜に残る足跡は、過ぎ去った時間
貝殻を拾えば、幼い日の笑顔
海面に映る夕日は、切ない約束
喜びも、悲しみも、後悔も
沈み、漂い、溶け合う海
ふと、強い潮流に巻き込まれ
鮮やかに蘇る、忘れかけてた風景
それでも海は、ただ静かに
すべてを包み込み、受け止める
ああ、記憶の海よ
あなたは広大で、神秘に満ち
私のすべてを映し出す鏡
そして私は、今日もまた
この海を彷徨う一隻の小舟
『記憶の海』
まぶたを閉じれば 上映会場
記憶のフィルムが カタカタまわる
背中に負われて まつりを見てた
高い高いで 大冒険
何才だろうか 金魚をすくい
仮面をかぶって チャンバラごっこ
海水浴場 ナンパも多くて
日焼けをしながら 遠くを見てた
アサリをとったり マテ貝つかんで
帰りは満ち潮 溺れかけたっけ
誕生日には ケーキを作った
カラオケうたって ゲームで夜ふかし
家族の世界は 友だちに変わり
恋とか夢とか 未来を語った
初めて葬式 死体に遭遇
悲しさよりも 恐怖だったな
結婚式では 費用が高くて
もったいないなと 心でつぶやく
成人式では 親子でも写真
自分より母親が 喜んでいた
大人になっても いろいろあった
それでもあの日々 かけがえのない日々
かがやく海原 まぶしい反射
記憶の海は しょっぱいな
まぶたを閉じれば 子供に帰る
記憶の海にしか いない⋯人を思う
『ただ君だけ』
SNSやテレビの向こう
外に出たならこの空の向こう
数えきれない たくさんの人
それぞれ生きてる 何かを守って
残酷だけど どうでもいいんだ
じぶんのことで いっぱいなんだ
ただ君だけ ただ君だけ
ただ君だけ 気になるんだ
家路の車内で 混んでる中で
夕陽を見つけて 思わず泣いてた
これが愛かは 分からないけど
君の声を 早く聴きたい
『未来への船』
ただ一瞬で飛んでゆく
まんがのような装置があれば…
こんなに僕は苦しまず
生きてゆけるのだろうか?
信じていないわけじゃない
例え浮気も許すと思う
こんなに君をあいしてる
なのにざわめく…夜が来る
奇跡という めぐり逢いで
未来という 船に乗った
それは素晴らしい サプライズ・ショー
豪華客船 そらを翔んで
楽しんでたら いつしかひとり
きみを探すけど どこにもいない
ただ一瞬で飛んでゆく
まんがのような装置があれば
依存する僕が悪いんだ
きみが消えれば 砂の船
『静かなる森へ』
あなたの未来は
空ですか 海ですか 森ですか
手でつかむためか 見下ろすためか
その夢は上空にあり 翼で飛んでゆく
孤独な旅であり 眠れば堕ちる
たどり着くためか 幸せのためか
その愛は彼方にあり この海を泳いでく
家族を守るため 自分は棄てる
受け入れるためか 深く眠るためか
わが人生は森にあり 深緑を進んでく
永遠の一部になり 命の餌になる
あなたが望むのは
空ですか 海ですか 森ですか
空から堕ちて 海で溺れて 静かなる森へ
虫や鳥や獣たちに 挨拶をする
木漏れ日か涙なのか
それでも私は
夢を見る
『夢を描け』
歌やお絵かきや かけっこに水泳
勉強に球技に 料理にダンス
なんでも上手な 友達がいた
なんでもどんくさい わたしがここにいる
家業を継ぐとか 両親のようにとか
あこがれを夢にする それさえも出来なくて
なんのために生きてるの 出来損ないなの?
底辺で意思を捨て 機械として動くだけ
いつからか金のため 働いて眠るだけ
缶ビールかアイスクリーム 贅沢はそれだけで
子供にはウソを吐く でっかい夢を描け
呪いの呪文だと 知っていて叫んでた
でっかい夢を描け でかいほど苦しんで
それはそう、ゾンビゲーム 仲間を増やしてく
産まれた意味、生きてる意味、意味ってなんだ
きっと、そんなものはないんだよ
いま、楽しいか?
ぐだぐだ悩むより ドキドキしよう
疲れたら眠るだけ 2つあれば最高だ…