詩『木漏れ日』
久しぶりに散歩 街路樹の下
刻まれた太陽が 優しいのはなぜだろう
目の前を子供が 走って転んだ
泣くまいとこらえたが ママが来たら大泣きだ
平日のスーパーに 学生が数人
それを離れて見てる 老夫婦は微笑んでる
出来た頃の此処は このまち最大のお店
今じゃさびれて誰も あの賑わいを知らない
ガラガラのバスが来る 過疎化している
私もこのまちを捨て 出てゆきたいと思う
木漏れ日が優しいのは 最期の時間だけ
眩しいくらい輝いて 此処に帰ってきたいと思う
『ラブソング』
長〜い連休の最終日
テレビは賑わう笑顔のニュース
プツンと消したら夜になる
いつもと変わらぬ天井とミュージック
夜中に目覚めて窓を見る
ぐずつく夜空と走り去る自動車
世間の寝息と不安の寝言
悪意の歯ぎしり夢なんて忘れちゃう
蛇口をひねって水道水
わが家のオアシス満室の冷蔵庫
充電はずしてスマホ見る
既読にならないあなたへのLINEメール
1日いっしょに暮らしても
離れていたって会話さえなくていい
心がつながり気配がしたなら
安心し合えるしあわせを感じれる
それって究極のラブソング
あなたを愛する終わらないラブソング
夜明けは目ヤニを付けたまま
線香、火をつけ「おはよー」のあいさつ
いつもと変わらぬルーティーン
もいちど遺影に「行ってきます」のラブソング
『手紙を開くと』
手紙を開けず 読んでない
それは怒りか 未練でしょうか
あなたの名字が 知らない名前
それは悲しい 裏切りでした
約束なのか 夢だったのか
言い争うほど 若くない
しあわせになって… 言えるほど
愛は殺して 埋めれない
手紙の端に かたまり1つ
ちいさなまあるい あの日の記念?
手紙を開くと すべてが終わる
引き出ししまって 仕事に行こう
『すれ違う瞳のマドンナ』
いつも自信に満ちていて
先輩なんぞにゃ引かなくて
弱きを助けて威張らない
おまけにオシャレなマドンナさ
誰も彼もが狙ってる
とびきり美人のその人を
もちろん好きだよ僕だって
高嶺の花でも、恋は恋
すれ違う瞳のマドンナ
一生懸命 この目で追いかける
ハンカチ落とせば みんなで奪い合い
すれ違う瞳のマドンナ
大きなあの目を 独占したいんだ
今はまったく 映らないけど
僕が絶対 落とすんだ
『あお』
青い空 青い海
冷たさ 孤独 悲しみ
静寂 幼さ 永遠
青いって なぜだろう
希望も 感じて いるんだ
産まれて 最初に 見る色?
青い青い こんなに青い
空も海も たどり着いたなら
青くないって 気づくんだ
青い朝 青い風
地球は 綺麗な 青らしい
僕らも 遠くじゃ 青に見える?
青を見て 青を追い
憧れ 癒され 眠り込む
僕らは 青い鳥 なんだと思う