『sweet memories』
骨太の二の腕や 毛深いすね毛を
気にしては隠してた 八月の海岸線
キスのため歯を磨き 歯ぐきから血を流し
にんにくを食べた日に かぎって会いに来た
甘すぎる囁きは 炎天下のソフトクリーム
見つめ合う時空間 引力に負けてゆく
「愛してる」その言葉 痛いほど突き刺さる
あんなにも夢中でも さよならは訪れる
sweet memories 過ぎ去った恋だけど
二人なら飛び越える 触れ合えば、夏になる‼️
『風と』
風が猫なら
すき間から家に入り
部屋を荒らして
わたしに飛びつき
スカートの中に入り
頬やくちびるをナメまわす
風が歌手なら
毎日、発声練習
せつなさも激情も
世界の果てまで
こころ揺さぶるその声は
あなたに似て我が儘だ
風が恋なら
いつだって見えなくて
悪戯で気まぐれで
そよ風で台風で
逃げたって追いついて
気づけばもう、ど真ん中
風と、生きよう
見えなくても喧嘩しても
たまにピュ~って吹いてくれ
それでいいそれだけでいい
わたしはあなたのおもちゃでいい
たまにそばで眠ってくれ
『軌跡』
悲しくて青空を見上げたら
上空に真っ直ぐにひこうき雲
ゆっくりと落ちそうなその機体が
彼方へと消えたって残る雲
ぼくは今、飛べてるか?
進んでるか?
しっかりとひこうき雲
出来てるか?
がんばって生きるのは当然だ
その空は広いって飛んで気付く
俺なんてちっぽけと何度も知り
人生は最後までその繰り返し
ぼくは今、飛べてるか?
進んでるか?
誇りというひこうき雲
作りながら…
ぼくは今、飛べてるか?
進んでるか?
「まけないぞ」って、ひこうき雲
残しながら…
詩『好きになれない、嫌いになれない』
好きになれない
嫌いになれない
どうでもよくない
気になる存在
無視していても
忘れたつもりも
気づけば目で追う
腹立つあいつ
裏も、表も
前も、うしろも
すべてがホントーで
偽物でもある
答えを、出さずに
そのまま、受けとる
正否をいうのは
傲慢だよね
好きになれない
嫌いになれない
ぼくらは生きてる
変化している
今日の正解が
永遠じゃないから
そうさ、決めつけない!
心が感じる…まで
『夜が明けた。』
長い長い長い長い とっても長い
地獄のような 深海のような
漆黒のトンネルは まだ続いてる
挫折挫折挫折挫折 こころの骨折
大好きなのに 大嫌いになる
価値が無いみたいだね でも進みたい
だれもがまぼろし この手を伸ばす
「必要なんだ」 言われるために
生きているその意味を 実感したくて…
辛い辛い辛い辛い 死ぬほど辛い
人混みの流れに まぎれるのもいい
でも、気づくんだ!
それって、もう死んでるでしょ?
だれもがひかりを じぶんにひかりを
ひとつの椅子を 争っている
終わらない悲しみを 実感している…
信じ信じ信じ信じ いつかと願う
最後はだれかに 夢を託すのか
でも、ダメなんだ!
それって、もう死んでるでしょ?
長い長い長い長い とっても長い
漆黒のトンネル 目をつむりあるく
そして思う、
出口はきっと、夜が明けた。と