『風と』
風が猫なら
すき間から家に入り
部屋を荒らして
わたしに飛びつき
スカートの中に入り
頬やくちびるをナメまわす
風が歌手なら
毎日、発声練習
せつなさも激情も
世界の果てまで
こころ揺さぶるその声は
あなたに似て我が儘だ
風が恋なら
いつだって見えなくて
悪戯で気まぐれで
そよ風で台風で
逃げたって追いついて
気づけばもう、ど真ん中
風と、生きよう
見えなくても喧嘩しても
たまにピュ~って吹いてくれ
それでいいそれだけでいい
わたしはあなたのおもちゃでいい
たまにそばで眠ってくれ
5/1/2025, 11:24:50 AM