「おじいちゃんはねぇ、「何もいらない症候群」にかかってしまったんだよ」
「「何もいらないしょうこうぐん」?」
少年はきょとんとした顔で首を傾げる。
病院のベットからゆっくりと起き上がった老人は、そのしわくちゃの顔をさらに歪めて微笑みかける。
「そう、だからねぇ、もうお見舞いの品を持ってこなくても良いんだよ?」
「やだ!これ食べて元気になって!」
鮮やかな林檎を突き出すと、少年は自慢げな様子で
「林檎ね、商店街のお姉さんに特別に選んでもらったからね、絶対元気になるよ!」
少年の活力に負けた老人は、簡単に言い負かされ、
「はいはい、じゃあこれは後で看護師さんに剥いてもらいますよ。」
「特別な存在」
どうも、ボク、高校二年生で漫画家目指しています。かれこれもう10年経ちマス。彼女との関わりはもう少し長いですネ。彼女はボクの幼馴染です。あ、いや、「カレシ」「カノジョ」の「彼女」ではなく代名詞の「彼女」ですヨ!?
ーーーーーーーーーまあ、ボクは彼女のことをずっと昔から好きで、愛していますが…
彼女は昔から体が弱くって、家が隣のボクと遊ぶ時も外で遊ぶとかでは無くって、家の中で遊ぶものがほとんどデシた。
当時、何気なく興味を持った「漫画」。「授業用ノート」という名の雑誌はボクの稚拙なストーリーで埋め尽くされていましたが、最初の読者である彼女はそれを楽しみにしていてくれマシた。ボクにとっても生き甲斐デシた。いつも彼女と一緒に帰って、キャラクター達のくだらない設定なんかを話しマシた。
「ふふっ、バカみたい」って。
彼女は笑っていマシた。
あの日も彼女と一緒に帰っていマシた。昨日思いついてネタ帳に書いておいた設定を、彼女の話して感想をもらおうとしました。
「次のキャラの設定ハ!交通事故で死んでまった弟の為に、その弟と約束した「甲子園でホームランを打って優勝」を達成しようとする、才能のない高校球児デス!才能のない彼は頑張りマス!弟の為ニ!」
彼女はなんて返してくれるか、顔を向けようとした途端
「バカみたい!」
語気が強く感じました。
走って、行ってしまった。
ショックでした。嫌われたんだ。そう思いました。
でも、でも一体どうして…
(まだ執筆中)
「バカみたい」
今日もアイツは壁際に追い詰められる。
いつもとは違って、俺が前に出て事を納めにかかる。
「止めろよ!」
「なんだよ、急に偉そうに!」
俺は男子トイレに連れて行かれて、水をかけられてしまった。
畜生。
なんなんだよーーーーーーーーーーーーーー
アイツは学校で一人だ、いつも。
友達を作ろうとしているようには到底見えない。
どうしてか?
「いらないんだ。」アイツはそう言っていた。
アイツと周りの人間との間には透明な壁があるんだ。
それは小学校の頃からそうだった。そして中学でも…
俺はアイツの事をずっと見ていた。
そもそもアイツが友達が出来ない性格なのもわかった。
なんだかそれが惨めに見えた。
だから俺はずっとアイツを気にかけていたんだ。
水をかけてきたヤツらはどっかに行って、
俺のクラスの委員長が男子トイレに入って来た。
「君、止めろよなんて言えるんだね」
「俺だってやられっぱなしは嫌だもん」俺は少し胸を張る。
「僕も、彼らの仕打ちには思う所があるんだよ。ね、協力して彼らを先生達に告訴しよう!どう?」
アイツは少し考えた後、
「う、うん。賛成」と答える。
「んじゃ、僕と君は友達。よろしく!」
アイツが少し嬉しそうだった。
もう、俺が表に出る必要は無いみたいだ。
アイツにはいい友達が出来たみたいだしな。
「ふたりぼっち」