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4/25/2024, 12:38:47 PM

流れ星に願いを
 
 私はいつも虐められている。だから、学校には友達はいない。だけれども家に帰ると、愛しのリリがいる。リリはうさぎの人形だ。学校でのストレスを家に帰ってからリリに話す。リリはいつも笑って話を聞いている。
ある時私はクラスメイトに、殴られた。私の何かが気に食わなかったらしい。いつもなら、言葉の暴力だけなので我慢できるがこの日は駄目だった。授業が始まる前に、トイレに逃げてしまった…。
その日の夜、いつものように窓辺でリリに話していたとき綺麗な流れ星が降った。私の心とは裏腹にキラキラ輝く流れ星に願いを込めて、
「リリが私とお話できますように。」と手を合わせて唱えた。すると、
リリが
「ねぇ、あなたを殴ったのはだあれ?」と怖い顔で私に聞いてきた。私は嬉しかった。だって、リリが私のお話をずっと聞いてくれていたと知れたから。だから私は、
「クラスメイトの…ちゃん」と言うと、リリはキッチンへ向い、その後玄関から姿を消した。その夜、リリは帰ってこなかった。次の日いつものように学校へ登校すると、先生たちが忙しそうだった。クラスもざわざわしていた。その日、私は家に帰ってからニュースをつけて理解した。昨日の深夜にその子が何者かに殴られ、殺され、その後に体をバラバラにしてトイレの中に入れられていたらしい。
私は部屋に戻ると、ベッドにダイブした。ふと窓辺に目をやると、
リリが血まみれでこちらを見て…笑顔で座っていた。

4/24/2024, 11:24:19 AM

ルール

 ルールはほどほどに守るのが一番楽しい。目上の人に怒られるか怒られないか。際どいところが一番楽しい。少しルールを破るという悪さをしているとき仲間の顔を見ると破って良かったと思うし、その時の笑顔は一生ものだ。ルールをきちんと守ると、あんま楽しくない。私は、ルールを破りがち。だって青春は一生に1度しかない。だけど…たまには守らなきゃ。
特別が"特別"じゃなくなっちゃうから…

「あなたの特別な一瞬はいつですか?中学生?高校生?大学生?それとも…今?」

4/23/2024, 12:40:42 PM

今日の心模様

 今日の心模様は落雷。それが、今の僕に似合っているだろう。
なぜなら、僕は今日恋に落ちたからだ。
僕はいつも、周りから感情がないと言われる。そんなことない。そんなことないと思ってる。でも、僕はそう言われても仕方ないと思っている。
だって僕は"ロボット"だ。少しは、周りから違うと言われても仕方ない。この先ずっと感情がないまま生きていくと昨日まで思っていた。
昨日、たまたま廊下ですれ違った女の子に目が離せなかった。僕は思わず振り返った。彼女は長い黒髪、凛々しい目元、そしていい香り…そこで終わればよかったものの、彼女はハンカチを落としていった。僕は、届けに行かなければならなかった。
走って追いつくと、彼女が振り返ったので僕は目を合わせずに
「ハンカチ、落としたよ」そう一言だけ言うと彼女は
「ありがとう。」そう言って目を合わせに来た。僕の胸が高鳴った。胸が苦しい。そして暑い。そんなことを考えていると、彼女は次の授業があるからといい去っていった…
君が僕に"初めて"感情をくれた。しかも、恋という特別なものを。

4/22/2024, 1:13:41 PM

たとえ間違いだったとしても

 たとえ間違いだったとしても、私はあなたを…
私は、殺し屋だ。だから、任された仕事はちゃんとやるし、仕事に情を持ち込まないようにしている。
だがある日頼まれた仕事の内容を見たとき息を呑んだ。
その紙には、私の父の写真。そして…概要には、闇金から三億の借金。返金見込みなし。ただそれだけしか書かれていなかったが、たとえ間違いだったとしても、私は殺さなければならなかった。。"たった一人の父"を。
仕事当日
私は書かれている住所、時刻を正確に守り現場にいた。父が来るまで時間があったので、昔のことを思い出していた。
私が幼いときに父と母は離婚し、父はギャンブルに依存してしまった。だが、優しい父はずっと変わらなかった。私が、就活に困っていると今の職場の社長が拾ってくれて父には大手会社に勤務することになったと嘘をつき報告したとき、私以上に喜んでくれた。その時の笑顔は今でも忘れない。なのに、どうして?どうして。こんなことになってしまったのか…
そんなことを考えていたら、ターゲットが来た。
私は、バレないように銃を構える。カチャ…バンッ
心臓より少しずらして撃ってしまった。それは多分、父の事が好きだから。一発で仕留めれなかったのだ。父が前の方に倒れる。父の持っていた荷物と白い箱が落ちる。なんだろう、と思い近寄り箱の中を見ると…ぐちゃぐちゃになったバースデーケーキが入っていた。そこには"お誕生日おめでとう…"という言葉と共に私の名前も書いてあった。目が、ぼやけてきた。すると父が死にかけの声で
「…お誕…生日…お…めでとう〇〇」と。死にかけで現実と夢が混在している中、ずっと私の事を思っていてくれたのだ。目から温かいものが伝う。私は、はにかみながら
「お父さん…誕生日、明日だよ?」と呟いた。


4/21/2024, 12:39:03 PM


 
 ポチャン…
最近は、雨が多く憂鬱だ。水玉模様の傘をさしながらたくさんの水たまりを避けるように俯いて歩く。
「はぁ、」
一言ため息を付き、また俯いて歩く。それの繰り返し。今週は何もかもが駄目だった。仕事でも上司に怒られるし、なんなら後輩からも馬鹿にされ、トラックに水をかけられ服はびしょびしょ。何もいいことがなかったこの一週間に思わず笑いがこみ上げてくる。
「ハハッ…」
乾いた笑い声が雨の音にかき消され、まるで私はこの世界にいないようなそんな風に思えた。
ふと、傘の外の景色を見ようと前を向くと私が全然知らない場所についていた。焦る私はどうすることも出来なくてただ、真っ直ぐ歩く。どうせ、私は何にもできない馬鹿なんだから…と薄く笑いながら前を進む。
さっきから坂道ばかりだ。
「これは、はぁはぁ、山だな…」
スーツで来るのには結構キツイ場所だったが、私はめげずに登り続けた。
山頂につくときにはもう息が苦しくて仕方がなかったが、それと同時に達成感で嬉しかった。
でも、この山には先客が居た。
その人は、黄色い傘でまるフチのメガネ、それに加えてきれいな横顔。その人の事を遠目から見惚れていると、気付かれてしまい目があった。でもなぜか、目が離せなかった。その人が私にニコッと微笑み、自分の横に来いと優しく手招きをするので小走りで向かう。少しだけ、相手と距離を空けて止まった。私は、
「なんで雨なのに、こんな山に居るんですか?」そう聞いた。すると彼は微笑みながら
「この山の山頂で見る景色ってとてもきれいなんですよ。自分の心を晴やかにしてくれるんです。」と。
でも…
「雨ですよ?」と言えば、彼は
「まぁ、見てて。」そう優しく言いながら、目の前の景色に指を指す。
すると、今までの雨が嘘かのように止みどんよりとした雲の隙間からきれいな光が溢れてくる。その光は、小さく見える民家、学校、駅、すべてのものに優しく光り輝いていた。この景色を見て私は
「わぁ…。綺麗。」思わず声に出てしまった。私の反応を見た彼は傘を閉じながら
「ね?そうでしょ?」とニコニコしながら言うので私は
大きく頷いた。
この景色をもっと大きく見たいと思い、傘を閉じた。今までの憂鬱が何でもなかった様に思わせてくれた。
彼は
「僕もつい最近この景色を見つけたんだ。」と微笑みながら照れ臭そうに言う姿に私は胸がドキッと高鳴った。

私の傘から、雫がポチャンと音をたてながら落ちる。
私は、目の前で虹を見つけてはしゃぐ彼を見て恋に落ちたのだと知った。

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