「空恋」
空みたいに人を魅了する。
空みたいに自由で。
空みたいに美しい恋がしてみたい。
ドラマみたいなロマンチックな恋がいい。
星空に願っても叶わぬ恋は果たしてロマンチックだと
言えるのか。
努力して叶える恋はロマンチックとは言えないと思う。
だからこの恋心は空のように美しく自由な恋の
華の蕾にはならないだろう。
恋が実る。
ロマンチックじゃないことは分かってる。
だけど私はあの人を好いているから。
恋におちたあの日からロマンもなにもかも捨てて
貴方の後ろに着いていくって決めたから。
叶わぬ恋は寂しいから。
後悔だらけの恋はしたくないから。
ロマンチックじゃないさ。
でも私は恋をしたい。
いつか蕾が華になるように。
私も貴方を魅了する美しい華になりたい。
当たって砕けろ。
枯れてしまっても次があるから。
種からやり直して見せるから。
どうか今はこの人を追っていたい。
後悔なんてしたくないから。
空みたいに自由で美しい。
そんな私になりたい。
「空恋」
「英雄」
命を奪わないで。
彼の心を砕かないで。
もういいから、皆を家族のもとにかえして。
戦いなんてなにの意味もないんだから。
こっちに来い。
こっちに来い。
私を救うためにこっちに来てよ。
寂しい此処から救いだして。
愛を唄えるところまで。
貴方を好きと叫べるところまで連れてって。
使命だとか、人を救うためだとかどうでもいいから。
こっちに来て私を拐ってよ。
嫌な静けさが溢れた此処から心地よい静寂のもとに連れてって。
英雄だから。なんて聞きあきたから。
私だけの英雄になってよ。
私と私たちの子供そして貴方自身を大切にして。
どうでもいいから愛してほしい。
戦いなんてどうでもいいから生きて帰ってきて。
死んじゃいやよ。私が生きるためにも帰ってきて。
私を口説いたのは貴方なんだからどうか、どうにか
無事に帰ってきてちょうだい。
どうか私たちのもとに「ただいま」って帰って来て。
もし叶うなら笑顔で迎えてあげたいな。
伝わらないかも。
意味が分からないかも。
だけどこれだけは伝えさせて。
「帰って来い」って。
「英雄」
「カーテン」
春風がまたカーテンを撫でたなら、
僕はきっと貴方を思い出すでしょう。
桜の花が似合う貴方の柔らかくて暖かい笑顔が僕は
大好きです。
出会いを告げる春風は暖かく喜びで。
別れを惜しむ春風は涙の様に暖かくて冷たい。
新しい道に踏み出すぼくらの背中を押してくれます。
貴方との別れは寂しくて冷たくて冬がまた帰ってきたんじゃないかと思ってしまいます。
約束。したんです。
また春がやって来てお互いにまだ想いあっていたら
未来を共に進もうって。
だからまだ、冬はやって来ません。
時間が進むと冬はやって来ますがぼくらの恋心って奴に冬はやってこないので。
貴方と別れてから一度目の春。
あと何度春を見るのか分かりませんが
また春風がぼくらの恋心を撫でてくれるような季節になったら貴方ともう一度逢いたいです。
いつか。いつかでいいので。
また一緒に桜でも見に行きませんか?
「カーテン」
「明日はきっと!」
車のクラクションが頭に響きます。
寝不足なのにうるさい。
痛みとかを感じることもないほど疲れているのです。
もう良いので早く時間が過ぎます様に。
なんて思っていたのに。
目が覚めると知らない森でした。
どこか分かりませんが暖かくて優しい光が強く差し込んでいる森です。
知らないところですが言えることは久々に私の好奇心とやらが踊っています。
まず人を探さなければ。
人を見つけるのは思ったよりも簡単でした。
少し歩くと大きな街のようなものが見えてきました。
人。っぽいのですが猫耳や尖った耳、角などがあり
人間ではなさそうな人たちもいます。
ここはどこなのでしょうか。
高校三年生くらいの青年が私に声をかけてくれました。
宿屋の呼び込みだそうです。
せっかくなので行ってみることにしました。
あの青年、どこかで見たことがある気がしました。
思い出せはしませんがなにか大切なことを
忘れている。
そう思いました。
初めてここに来てかなり時間が経ちました。
ここでの生活はとても充実していて宿屋の奥さんと旦那さんや息子さん気の良いお客さん、話を聞いてくれる隣の店の店主とその娘。
幸せ。そう思わずにはいられませんでした。
大切なもの。が出来ました。
でも昔から知っているような違和感があるのです。
<世界は移り現世>
彼女が事故に遭っていくらかたった。
目を覚まさない。
どうやら彼女は事故の5日前、故郷にいる親しい存在が多く亡くなったらしい。
原因は正確には分からないがどうやら町を巻き込んだ大規模な殺人事件が起こったそうだ。
彼女を知る人は事件が起こってからろくに彼女は寝ていなかったそうだ。
寝不足の状態でそとに出てその時事故に遭った。
彼女はどんな夢を見ているのだろうか。
幸せな夢ならば良いな。
夢から覚めるときまた大切なものも失ってしまうのは辛いだろう。
でも夢と言うものはすぐに忘れるものだ。
これが少しは彼女の心を軽くしてくれると良いな。
<世界は移り異世界>
最近なにかがおかしい。
なんだか、違和感が強まっている気がする。
頭が痛い。知らない記憶が頭に流れ込んでくる。
おかしいとは思った。
あの日寝不足だった理由も故郷のこともなにも思い出せなかった。
でも今はいろんな記憶が頭に流れ込んでくる。
あれ?...........................お母さん?お父さん?私の弟?友達のお父さん?友達?近所のおばさん?
なんでここにいるの?
もう死んじゃったんじゃ。
...眠たい。やだ。まだ行きたくないよ。
逝かないで。まだ話したいことあるの。
上京して色んなことがあったの。
やだよぉ。逝かないで。
..ピ.........ピ........ピ...
「!起きました。先生。305号室の患者様です。」
なにか声が聞こえる。
なにか大切なことを忘れている気がする。
?涙が止まらない。
昨日事故に遭ったんだっけ。
昨日は散々だった。
明日は良い日がいいな。
いや、きっと明日は良い日になる。
だって今日はいままでにないくらい
ぐっすり眠れたんだから!
「明日はきっと!」
「小さな愛」
小さな愛はきっと忘れてしまうのでしょう。
この思いはきっと貴方にとって心に残ることもなく消えてしまうのでしょう。
それでも良いのではないのでしょうか。
少しでも貴方の瞳に私が写り込んだ。
一瞬でも貴方の心を魅了できたなら私は上手くやったと想えるのでしょう?
いつからか。
そう言われると難しいですが言えることは物心ついたときから。
私は両親に売られたようです。
私は自分の心を殺し一夜を売る仕事に就きました。
すぐに枯れてしまうような花たちが集う街。
自分の魅力を創り夢をみさせる。
聞くだけだと魅力的な話だと思うかもしれませんが
正確には茶色く濁った華の街。
きっともっと綺麗なら今頃どこかに嫁いでいるのではないでしょうか。
まぁそんな街で私はトップを争う女でしたから
忙しいったら忙しい。
たくさんの男を相手するなか、一人だけ私と目を合わせない男がいました。
他の男は皆私を舐めるように見る。
それに私はとにかくいやな顔をしないように笑っている。
そんな日常が少し変わった気がしました。
その男は私に興味がないように見えました。
でも必ず毎週日曜日と木曜日に私の夜を買うのです。
私が嫌がるようなことはなくただ今日のご飯。
好きな食べ物、好きな異性のタイプ。そんな他愛もないお話をするのです。
私はあんなに心の休まる時間を知りませんでした。
心から「愛している」と言えたら。なんて
いままで思ったこともないようなことをずっと考えていました。この街では心からの言葉は己を傷つけるだけそう教わってきましたから。
私はこの先もなにも言うことが出来ませんでした。
初めてあの人が来てからそろそろ2年が経ちます。
今も私の夜を買ってくれます。
でも私は想ってしまうのです私を買ってほしいと。
永遠に貴方のものにしてほしいと想うのです。
そんな日常でも砕けて散るのは一瞬なのです。
私はどうやら病気になってしまったようです。
治る見込みはなし。 薬を飲めば治るのだと思いますが私にはお金も、薬を売ってくれる人脈もありません。
死んでしまうかもしれない。
そう想いますが何よりあの方に逢えなくなることが寂しくて寂しくて心がもう死んでしまったようです。
貴方は私を買ってくれるでしょうか。
そしたら貴方は私を治してくださりますか?
私を最後まで看取ってくれますか?
今か今かと貴方との未来を待っていますよ。
これはある男と愛を願った女が愛し合う。
そんな未来の少し前のお話。
「小さな愛」