途中…
もし今日話せなければ。
そう決めた。
青山さんに出会ったのは2年前の夏。梅雨があけて本格的な夏を迎えたころだった。私はまだ学生で、就職活動にむけて周りが大きく動き出していることに焦りを感じている時期だった。
友だちのバイト先のレストランに、情報交換と称して集まっていた日。途中から就活への愚痴や遊びの予定に話がシフトしていってずっとこのまま大学生でいたいな、なんて思っている時だった。
執筆中……
「立て看チーム買い出し行ってきます」
ペンキの買い出しついでにクラスの他チームに必要なものがないか聞いて回る。
ペンキと養生テープと
アラームが鳴る数秒前、ふと寒さを感じて意識が浮上した。いつものようにもう少しだけ寝たい気持ちを今日だけは抑え込み、伸びをして体を起こした。昨日までの連勤の疲れを感じながらも、これからの予定を思い浮かべると心がふわっと軽くなっていく。
一ヶ月前からこの日を楽しみにしてきた。チケットを確認して、推しのメンバーカラーのグリーンのアイラインをひいてピアスをつける。昨日の仕事終わりギリギリに駆け込んだネイルの可愛さに改めて感激する。
久しぶりのターミナル駅で乗り換える。会場が近付くにつれ自分がどれだけ今日を楽しみにしてきたのかわかる。
会場限定のグッズを買って開演まで流れる音楽を聴きながら、周りには気付かれないくらい小さく踊りながらその時間を待つ。アナウンスが流れ会場が暗くなり、はじまりの音が鳴る。
今日は最高の1日だ。
たとえ間違いだとしても 保留中(書きたい!)
執筆中…
天気予報で明日に傘マークがついていた。初めてふたりで出掛けるせっかくの日なのに、晴れてくれない。予定を組んでから何日も悩んでようやく決めた服装も晴れたときを想定していたのに。
いつもより早く目が覚めて時計を見たらまだ5時前。耳をすますと雨の音がして、20%に賭けた願いが叶わなかったことを知った。
「雨だけど、予定変更する?」
簡潔なメッセージが届いた。目的地の天気予報を調べて、予定より1時間後に曇り予報になっていることに望みを託して、小雨なのでそのまま行きませんか、と返事した。
崩れないようにいつもより入念に、それでも自然に見えるように髪をセットした。一本早い電車してしまったけど、それでも約束より早く着ける。
スマホを握りしめながら降りた西口、見回すともう到着していたから慌てて前髪と襟元だけ整えて声をかける。
「雨でむしろ空いてそうだね。」
ポジティブなところが好きだな、なんて思いながら並んで傘をさす。流石に見頃だから目的地に近づくに連れて人も増えてくるけど、晴れていたらもっと混んでいたのだろう。