運ばれてきたカツ丼に、そうコレコレ。と言いたくなるくらいここのカツ丼は絶品かと思う。
丁寧にいただきますと言って食べ始める。
「そういえば、どうしてるんだ?アイツは」
目の前にいた男が、連れの女に尋ねた。
「あー。新しい会社で頑張っていますよ。多分」
多分ねぇ、といいながら、男が苦笑いをした。
「これから彼と付き合っていけるか、どうなるのか、もしも未来を見れるなら、見て判断したいなぁと。先輩は、どうして今の奥さんと結婚したんですか?」
質問を投げてから、女はカツ丼にがっついた。
「そうだなぁ。未来が見えなかったからかな。」
カツ丼を口に入れていた女が不思議そうに男の顔を見た。「未来が見えすぎると、悪いことばかり見えてくる気がして。だから、今一緒にいて、1番楽で、未来が見えない嫁と結婚した」
「なんか、私はそれ怖い気がします。」
「ま、人それぞれかな。ま、まだ若いんだし悩め悩め」
そうですね、と言いながら、カツ丼を再び頬張った。
お題『もしも未来を見れるなら』
なぜ、ここに辿り着いたんだろう。
どうして、ここに来たいと思ったんだろう。
この世界では何も得ることがないのに。
そうだ、私は全て捨ててここに来たんだ。
だから、ここは無色の世界なのか。
私が何かを得ようとすると、誰かが嫌な思いをする。
そんな気がして、すべて捨ててここに来たんだ。
私が何かを得ようと思える未来は、色のついた世界だろうか。
お題『無色の世界』
1人ベンチに座っていると、いろいろな景色や人々をみることができる。
湖の上に浮かぶ花
犬の散歩に来ている人
春、落ち葉を出す、くすのき
ジョギングをしている人
私は1人、タバコをふかしながらいろいろな情景を見る
ただただ、何も考えず見ているだけ。
突然突風が吹くのも春の景色の一つ。
ふと、右を向くと、桜散る中に貴方を見た気がした。
空を見上げた。
5年前に他界した、貴方を感じる場所。
お題『桜散る』
逃げた。
逃げないと、この気持ちから抜け出せないと思った。
あの夜だけ、彼は私を愛してくれた。それだけでいい。
それがどんな状況であれ、傷ついた彼が私を頼ってくれただけ。それだけでいい。
私はあの夜の思い出だけで生きていける。
いえ、生き延びてみせる。
今、手に入れた環境は全て捨てて、彼の前から消えても、生きられる。
だから、神様へお願い。
私はもう十分もらったから、もうこれ以上、望むことはないから、彼は、愛する人と一緒に幸せに過ごさせてあげてほしい。
お願い。
お題『神様へ』
頭がとてつもなく痛い。
誰だよ今日の天気を快晴にしたの。
あーなんかまだ酔ってるみたい。
金輪際、深酒はしない。と毎回反省する私を自分で褒めている私。
そうですとも、ぜんぜん反省できていませんよ。
改心していたら、こうも度々二日酔いのまま仕事に行くこともないですよ。
陽の光が痛い。
二日酔いじゃなければ、とても心地よい天気なはず。
もう、ほんとに、改心したい。
お題『快晴』