両手で頭を押さえて起き上がると、大きなため息をついた。
「どうすればいいの?どうしろというの?どうしたらよかったの?」
夜中に独り言を言っても意味はない。
自分の夢に怒っても誰も助けてはくれない。
静かに流れ落ちる涙は、私をまた夢の中へ連れて行く。
お題『どうすればいいの?』
ぷはーっ。
タバコのうまさを実感できる時間が、最高に幸せだー。
と、思う自分に惨めさを感じてしまうのも現実だ。
この、どこまでも続く青い空を眺めながら、職場の喫煙室代わりにしているベランダに逃げてくるのも乙だなぁ。
「って、おい、なんでこんなに混んでるんだよ」
どんどん端に追いやられて、混雑し始めるベランダ。
「営業会議でもないのに、部長が来て暴れてんだよ」
あーそういうことか。
じゃ、仕方ねーな。
俺は、再びタバコを思いっきり吸い込んで吐き出した。
虚しくても、惨めっぽくても、やっぱりこの時間は至福の時だ。
お題『どこまでも続く青い空』
最初からそうだったんだ。
私の見ている遠くの景色と、彼がみている場所は同じようで違うものだった。
それだけのことだ。
ずっと平行線で交わることはない。
これからもずっと。
どこまでいってもすれ違いだ。
2本の線の間隔をゆっくり離していけば、私は苦しまずに彼を忘れられるだろう。
お題『すれ違い』
「じゃあな、元気でな」
いつもの店を出たところで、男は連れの女に声をかける。
自然な流れだ。
側から見れば不自然なことは何もない。
「どうしたの?」
女はなんの変哲もない別れ際に異変を感じた。
「転勤になった。」
「そうなんだ。じゃあ、元気でね」
女に後ろ姿を見せた男は、いつも通り左手を顔の真横で振ると離れて行った。
女も男を追いかけるでもなく、男とは反対方向へ歩き出した。
女は手の先と足の先が締め付けられるような感覚を感じたあと、胸の奥を力一杯握り締められた。
痛いと感じた時には、視界が滲んでいた。
お題『別れ際に』
泣かなきゃ眠れない体になり、泣けない体になった。
もう、涙は枯れた。
私の心が悲鳴を上げると、月は慰めるように風で包んでくれる。
どうして20年も片思いができるんだろう。
私が狂っているから?壊れてしまったから?
15年も会っていない彼を。
私は私がわからない。
いつになったら枯れた涙は元に戻るんだろうか。
月に慰められなくていい日はくるのだろうか。
見上げた夜空に月はない。
今日は月は助けてくれない。
私の代わりに空が泣くこともない。
お題『空が泣く』