通りすがりの字書き

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運ばれてきたカツ丼に、そうコレコレ。と言いたくなるくらいここのカツ丼は絶品かと思う。
丁寧にいただきますと言って食べ始める。
「そういえば、どうしてるんだ?アイツは」
目の前にいた男が、連れの女に尋ねた。
「あー。新しい会社で頑張っていますよ。多分」
多分ねぇ、といいながら、男が苦笑いをした。
「これから彼と付き合っていけるか、どうなるのか、もしも未来を見れるなら、見て判断したいなぁと。先輩は、どうして今の奥さんと結婚したんですか?」
質問を投げてから、女はカツ丼にがっついた。
「そうだなぁ。未来が見えなかったからかな。」
カツ丼を口に入れていた女が不思議そうに男の顔を見た。「未来が見えすぎると、悪いことばかり見えてくる気がして。だから、今一緒にいて、1番楽で、未来が見えない嫁と結婚した」
「なんか、私はそれ怖い気がします。」
「ま、人それぞれかな。ま、まだ若いんだし悩め悩め」
そうですね、と言いながら、カツ丼を再び頬張った。

お題『もしも未来を見れるなら』

4/19/2024, 2:15:40 PM