百加

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10/2/2024, 8:14:40 AM

たそがれ


町が青く染まり、
遠く西の空を眺めれば、わずかに赤みが残るだけ。
見知った顔も見知らぬ人のように見え、
足元の影も消えてしまった。

いつもの道は、すっかり青く様変わりして、
まるでどこかに続くよう。
あの角を曲がったら、
見慣れた家が見えるはずなのに、
もし消えてしまっていたら、どうしよう。

とりとめのないことを考えながら、
足早に辿る家路。

10/1/2024, 5:26:51 AM

きっと明日も


きっと明日も……。
祈りのように、あるいは呪いのように、
密かに呟かれた言葉。

心からの希求であろうと無かろうと、
笑顔であっても涙であっても、
何も変わりはしない。
そう思って、
未来が見えないわたしたちは、
朝の光が差すまで目を閉じる。

でも目覚めたなら、
ほんの少しでもどうか、
明るい方へ一歩。


9/21/2024, 7:13:57 AM

大事にしたい


大事にしたい、誰よりも。
――だって、好きだから。

9/20/2024, 9:24:29 AM

時間よ止まれ


愛しいものがこの世から去ってしまう時、
人は時間よ止まれ、と強く願うのでしょうね。

時に関する小説はいろいろあると思いますが、この作品は鼻水を啜りながら夢中で読みました。随分前ですが、忘れられない小説の一つです。

時生(トキオ) 東野圭吾


9/19/2024, 8:42:43 AM

夜景


夜、ドライブで向かった山の展望台から、きらきら光る街の灯りを君と見下ろした。

「きれいだねえ」
「うん」
「あたしの家はあの辺かなあ」

弾む声で君は夜景を指差して、ぼくはあいまいに肯いた。

君とぼくが帰る家の灯りが、この夜景の中にあればいいのに。
――そうなればいいのに。

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