百加

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夜景


夜、ドライブで向かった山の展望台から、きらきら光る街の灯りを君と見下ろした。

「きれいだねえ」
「うん」
「あたしの家はあの辺かなあ」

弾む声で君は夜景を指差して、ぼくはあいまいに肯いた。

君とぼくが帰る家の灯りが、この夜景の中にあればいいのに。
――そうなればいいのに。

9/19/2024, 8:42:43 AM