踊るように
秋の日、爽やかな風が頬を撫でていく。落葉が踊るようにくるくると舞い落ちる。
君は大きく腕を広げ、落葉に手を伸ばしながら、同じようにくるくると回っている。
あふれる光、色とりどりの落葉、なびく髪、広がるスカート。そして最高の笑顔。
僕はこの瞬間を留めたくて、何度もくり返しシャッターボタンを押した。
#20
時を告げる
夜が終わらなければいい。
このまま小さくなって暗がりに潜んでいたい。
ずっと一人、夜に包まれて眠っていたい。
少しずつカーテンの向こうがほの明るくなって、
また朝が来る。仮面をつける時を告げる。
私は何でもないふりをして立ち上がらなくてはいけない。
大丈夫、まだ大丈夫。
でも、いつまで?
#19
貝殻
九月になってもまだ暑さは厳しい。
少し水遊びでもさせるつもりで海辺に娘を連れ出した。彼女は少し足を濡らすと、後は波打ち際でうずくまっている。
「暑くないの?」
「うん、貝殻集めてる」
小さなバケツの中には、角が取れた淡い緑色のガラス片に黒い小石と小さな白っぽい二枚貝の貝殻がいくつか入っていた。
「たくさん集めたねー」
「いっぱい見つけた。ねえお母さん、手出して」
彼女は握った砂だらけの手を打ち寄せる波で濯いだ。濡れた手から滴が光って落ちる。
彼女の言う通りに私が手を出すと、薄いピンク色をした小さな貝殻がそっと手のひらに乗せられた。
「一番きれいなのをお母さんにあげる」
緩やかに寄せてきた波が足元を濡らした。きらきらした黒い瞳が私を見上げている。差し出してくれる何かとてもピュアなもの。胸の奥がじわりと熱くなった。
「ありがとう。嬉しいな」
「うん!」
波に洗われた小さな手の爪が、桜貝を連ねたように美しく見えた。
きらめき
「感動を与える」とか、時々聞こえてくるけど、そういう言葉は好きじゃない。
でも最後まで走って、打って、守って、勝ちを目の前にしながらシュートが全く入らなくて、もうダメかもというくらいまで追い上げられた第4クォーターを踏ん張って、その手に掴んだ半世紀ぶりの自力での五輪出場権。
ただ勝つために、ひたすら苦しい練習に耐え、
どれほどの重圧の中で彼らは戦ってきたんだろうか。
様々なスポーツ選手たちが見せてくれるひたむきさや懸命さ、勝つために全力で戦い抜く姿を見るたびに、私はいつも心を奮い立たせられます。
昨晩も勝利に笑って涙する選手たちの姿は、きらきらときらめいて見えました。
男子バスケットボール、オリンピック出場おめでとう!
どうか皆がケガなくオリンピックを迎えられますように。
些細なことでも
どんな些細なことでもいい。
あなたについて知りたい。
好きなものも、
嫌いなものも、
どんなふうに笑うのかも。
私はあなたを、まるごと知りたい。