不完全な僕
後ほど
ひとり雨に佇んでいた。
河川敷の側でただ立っていた。
理由はあれだったのかもしれない、今日少し運が無くって、気分が落ち込んでいたのかもしれない。
もしくはミスをして怒られてしまったからかもしれない。
そういうふうにどんどんと悪いことが浮かんでくる。
今この川の中に飛び込んでみようか。
大雨で濡れてしまったのだから川に入ったとて同じだろう。
そして自分は川を渡った
三途の川と知ってか知らずか
◯月☓日 △曜日
今日もいつも通り朝7時に起きた。
朝ごはんを食べ、歯を磨き、顔を洗った。
その後散歩へ行った。見慣れない街並みを見て不安がよぎった。公園へ行き一休みしたあと、ファミレスに行ってお昼を食べた。そうしたあと家に帰りテレビを見た。
それ以降はいつも通りだ。何も起きなかった。
◯月☓日 △曜日
今日もいつも通り朝7時に起きた。
朝ごはんを食べ、歯を磨き、顔を洗った。
しばらくしたら人が2人来た。あの二人は恐らく友人だろう。
一しゅん不思議そうな顔をしていた。
少し雑談をして、ゲームをして、お昼を作ってくれた。美味しかった。また食べれたら食べたい。
それ以降はいつも通りだ。何も起きなかった。
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◯月☓日 △曜日
きょうもいつも通りあさ7じに起きた。
おそらくいつも通りだろう。そうかいてあるから。
きょうはうみに行くみたいだ。
もうげんかいだったんだろう、ずっとまえから。
だれにもいってなくてごめんなさい
またたべたいとおもってたのに
若年性アルツハイマー
海へ行った。
理由というようなものは特になかったが、何故か海へ行こうという意欲が湧いてきたのだ。
今は午前3時。夏場なため生暖かい風が吹いていたが熱いというほどではなかった。
辺りは無人で光もなかったのでスマホで足元を照らす。階段を降り少し波が当たるところまで歩く。
近くで見る海はきれいだ、深い藍色で満たされている。それを見ていると、自分自身の身にあった不安や苦悩が少しづつ薄れて見えなくなっているような気がしてくる。
ここへ来る途中、ほんの少しだけ憂鬱になってしまっていたことに気づく。だが今は此処へ来てよかったと心からそう思っている。
もうしばらくしたら家へ帰ろう。
そう思ってこの美しい海を眺めていた。