奏翔

Open App

あの日の温もりを僕は忘れない。

あの時手を出してくれたことを

あの時光へ導いてくれたことを

あの時僕を守ってくれたことを

あの時僕の日常はがらりと変わった




変わっていった。


食事も睡眠もまともに取れていなかったあの日とはまるで違う。

安全で自分自身も守れる頑丈な場所で

今一人座り込んでいる。



非日常が日常になった頃、爆撃が襲いかかった。

人は阿鼻叫喚し、物理負荷の掛かった物は耐えられず倒壊

あの人は僕を守っていなくなった。

僕は歩みを止めてはいけない  あの人の為に

そう、防空壕の中で呟いた。



あの日の温もり

3/1/2025, 10:21:28 AM