キュート
イヤだから英語はストップ。
誰やねん。
誰相手にネイティブな発音披露?
え?妻??妻に??
駄目駄目駄目駄目絶対だめ。
ネイティブな八頭身じゃないから。
面と向かって、今日も可愛いね、ハニーとか
もはや、テレビでしか見てない。
主に海外ドラマ。
ひねりを求められても
スペルの解体が関の山。
シーとユーと…。
そりゃ昔はね。
デートに、そりゃぁもう、すぐ横にある電柱に頭ぶつけて
心頭滅却したいくらい眩しい妻の姿への
リアクション誤魔化してたけど…。
多分、今言ったら、どんな目で見られるやら…
記録。
記憶とは違い 感情はない。
例えば 歴史の年表 なんかが
分かりやすい。
誰がどういう風にどんな思いをしてそれを成し遂げたか
誰か どれだけ 犠牲になったか
その考えに至るまでどれだけの反対と否定を食らったか
雨の日野 だったのか 晴れの日だったのか
暑い日だったのか寒いだったのか
その日は運がいい日だったのか 悪い日だったのか
その日何を食べたのか 何を飲んだのか
誰も知らない
さぁ、冒険だ。
冒険かぁ。
…
例えば十年ぶりに映画を見に行った僕は
トレジャーハンターだ。
わけがわからないから
しっかり夜も眠らず調べ上げて
妻に、
今度映画でも、どう?
テレビを見ながら何気なく誘う。
いや正直内心、ハラハラドキドキ
汗がとまらない状況だったわけだが
へぇ、いいね。何見るの。と言われて。
あ、アンダーニンジャなんかどうかな。
いいね。と笑った妻を見て。
ここからが本当の冒険のような気がした。
1輪の花。
夢十夜、と言う作品がある。
有名な文豪の作品だったはず。
一夜、二夜、と1話を夜に置き換えて1話完結の物語だ。
愛した妻が亡くなる時、
再び、夫のもとを訪れる約束をし
百年後その約束が果たされる。
その時に1輪のゆりが出てくる
百年も待つことができたのか何かの比喩だったのか。
それが長かったのか、
それとも、短かったのか。
一夜の夢だったのか、単純な夢の話だったのか
いまだわからない。
魔法。
種がある方が不思議なことだとなんかの漫画で読んだ。
だって魔法は魔法だから。
ま、魔法だしな、的に。
魔法でも科学でも技術でも、
今大差なくなってきたと思う