スランプななめくじ

Open App
5/6/2024, 3:38:09 PM

明日世界が終わるなら、貴方を殺しに行きましょう。
貴方を嫌っている訳では無い、恨んでいる訳でも無い。
ただ、愛しているから。

世界が終わる理由はなんであれ、
私以外に貴方が殺されるなんて考えたくもないのです。

貴方の鼓動を最期まで聞き、
貴方の首に手をかけるまで、
貴方の死に様を見送るまで、
私は死んでも死にきれない。

欲を言えば、私も貴方に殺して欲しいのだけれど。
貴方は私の首に手を添えてはくれないだろうから。
世界の結末を、死体の貴方と迎えるのも悪くない。

5/5/2024, 3:56:04 PM

君と出逢って、どうやら僕はおかしくなってしまった。
いつの間にか君を目で追ってしまうし、
気が付けば君の事で頭がいっぱいになる。
こんなこと今までになかったのに。
君と目が合う度に、胸が高鳴ってしまうんだ。

そのうち、目が合うだけじゃ物足りなくて。
話したい、手を繋ぎたい、体を貪りたい。
初めての衝動。過激な肉欲。
理性の敗北。本能の目覚め。
自分が自分でない気がした。
それなのに、何よりも自分らしいと感じた。

僕の性なのかな。君を求めてしまうのは。
君の所為なんだ。僕が狂ってしまったのは。

5/4/2024, 8:55:05 AM

私が好きなのは彼じゃないし、
彼が好きなのも私じゃないの。
私の好きな人は、私を好きじゃなくて。
彼の好きな人も、彼を好きじゃない。

だから、って言葉では説明出来ないけど。
今はただ、私と彼が付き合ってるってだけ。
おかしな話でしょ?
そんなこと、私たちがいちばん分かってる。

愛してるのに、愛されないのが辛かった。
それだけなの。それが一番苦しかったの。

これは、二人だけの秘密。そして罪。
どうか責めないで。どうか許さないで。
弱くて惨めで最低な私を、私たちを、
どうか、愛して欲しかっただけなの。

4/28/2024, 1:16:05 PM

退屈な授業。睡魔が襲う午後。

下敷きを挟んだ白紙の帳面。

目を移す。

鳥の群れ。目を焼く日差し。

今しがた引かれた飛行機雲。

刹那、大きな影。

窓の向こうと目が合った。

鈍い音と甲高い悲鳴が耳の奥を支配する。

不快感と非日常な空気が教室を包み込んだ。

4/27/2024, 2:35:25 PM

死のうと思ったことなんて、数え切れないほどあった。
ふとした瞬間の、衝動。
道路や踏切の中に入りたくなったり、
窓の外へ向かって飛び降りたくなったり、
家にある洗剤を片っ端から飲みたくなったり、
握っている包丁を首に滑らせたくなったり。
生きてるのが辛いとか、多分そんなことではなかった。
死ぬことに興味を抱いてしまった。それだけだった。

死ななかったことに、大した理由は無い。
まだ読んでない本が家にあった。
そういえば友達と遊ぶ約束をしていた。
死ぬことに対する好奇心を、
生きないと叶わない別の何かで上書きしただけ。

そんな他愛もない日常が、私を生かしていた。
私が今生きているのは、きっとその延長線。
私が生きる意味は、この日々を過ごすため。

生きる意味なんて、その程度。
死なない理由なんて、そこまでない。
だからこそ、この生活がかけがえのないものなんだ。

Next