スランプななめくじ

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死のうと思ったことなんて、数え切れないほどあった。
ふとした瞬間の、衝動。
道路や踏切の中に入りたくなったり、
窓の外へ向かって飛び降りたくなったり、
家にある洗剤を片っ端から飲みたくなったり、
握っている包丁を首に滑らせたくなったり。
生きてるのが辛いとか、多分そんなことではなかった。
死ぬことに興味を抱いてしまった。それだけだった。

死ななかったことに、大した理由は無い。
まだ読んでない本が家にあった。
そういえば友達と遊ぶ約束をしていた。
死ぬことに対する好奇心を、
生きないと叶わない別の何かで上書きしただけ。

そんな他愛もない日常が、私を生かしていた。
私が今生きているのは、きっとその延長線。
私が生きる意味は、この日々を過ごすため。

生きる意味なんて、その程度。
死なない理由なんて、そこまでない。
だからこそ、この生活がかけがえのないものなんだ。

4/27/2024, 2:35:25 PM