なめくじ

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4/28/2024, 1:16:05 PM

退屈な授業。睡魔が襲う午後。

下敷きを挟んだ白紙の帳面。

目を移す。

鳥の群れ。目を焼く日差し。

今しがた引かれた飛行機雲。

刹那、大きな影。

窓の向こうと目が合った。

鈍い音と甲高い悲鳴が耳の奥を支配する。

不快感と非日常な空気が教室を包み込んだ。

4/27/2024, 2:35:25 PM

死のうと思ったことなんて、数え切れないほどあった。
ふとした瞬間の、衝動。
道路や踏切の中に入りたくなったり、
窓の外へ向かって飛び降りたくなったり、
家にある洗剤を片っ端から飲みたくなったり、
握っている包丁を首に滑らせたくなったり。
生きてるのが辛いとか、多分そんなことではなかった。
死ぬことに興味を抱いてしまった。それだけだった。

死ななかったことに、大した理由は無い。
まだ読んでない本が家にあった。
そういえば友達と遊ぶ約束をしていた。
死ぬことに対する好奇心を、
生きないと叶わない別の何かで上書きしただけ。

そんな他愛もない日常が、私を生かしていた。
私が今生きているのは、きっとその延長線。
私が生きる意味は、この日々を過ごすため。

生きる意味なんて、その程度。
死なない理由なんて、そこまでない。
だからこそ、この生活がかけがえのないものなんだ。

4/25/2024, 3:20:44 PM

ずっとずっと好きなのは、許されないこと。
あなたに想い人が出来ても。
そんな想い人と結ばれても。
子宝に恵まれ、幸せな家庭を築いていても。
ずっとずっと好きなのよ。

たとえ老いぼれてしまっても。
私に向ける笑顔じゃなくても。
それでも、好いてしまうから。

流れ星に願いを込める。

想いを伝えるなんてことはしないけど、
叶わぬ恋を抱き続けるのは苦しいから。
たとえ叶わぬ願いであっても、
たとえ願ってはいけないものであっても、
この一瞬の輝きに託すくらいは許して欲しいの。



あの流れ星のように、
私の恋心も眩く流れ落ちてしまえばいいのに。

4/22/2024, 11:19:46 AM

君が私から逃げられる瞬間は、いくらでもあった。
それでも私の手を離さなかったんだ。
散々私に頼って生きてきたじゃないか。
今更逃げたいだなんて、自分勝手が過ぎるぞ。

理解できない。君には私が必要だろうに。
私がいなければ何も出来ない癖に、
何も出来なかった癖に、
私を遠ざける理由はなんだ?
わざわざ綺麗な道を敷いてやっているのに、
断固として自分の道を突き進むのは何故だ?

君にとって私の手を振り払わなかったことが
たとえ間違いだったとしても、逃げることは許さない。

私が君から離れたら、どんなに困るか教えてあげよう。
目を腫らすまで泣いたって、涙を拭ってやらないよ。
喉が枯れるまで叫んだって、君を慰めてやらないよ。
君が自分から僕を求めれば、手を伸ばしてやるのに。

ねぇ、身をもって知っただろう?
君は私なくして生きていくことなんてできやしない。
これからだって、頼らないと生きていけないんだよ。



もう一度手を繋がせて欲しい。
ほら、そう言ってしまえば楽になれるのに。

頑なに口を開かない君が、どうにも愛らしくて。
全く私は気味が悪いよ。ぜんぶ、君が悪いんだ。

4/21/2024, 12:47:20 PM

俯いてしまうほど辛いことがあった日は、
夜が明けるまで走るんだ。
足が痛くなっても、肺がちぎれそうになっても、
朝日が目を刺すまで止まらない。

頬を伝う雫が、汗と混ざって落ちてゆく。
流して流して泣き叫んで、心ゆくまで走り続ける。
頬が乾き切った時、私はきっと前を向けているから。

がむしゃらに駆け抜けた先に、私の明日が待っている。

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