なめくじ

Open App
1/23/2024, 10:26:00 AM

とんでもない悪夢を見た。
君が僕の隣から居なくなる夢。
酷く恐ろしくて、冷や汗も涙も止まらない。
急いで飛び起きたら、いつも通り、君が隣で寝ていた。
安心と同時に、どうしても君の瞳が見たくなった。

すやすやと眠る君を起こすなんて、最低な事だけど、
こんな夢を見たんだって、泣きついてもいいかな。

どうか優しく、慰めて欲しいんだ。

1/22/2024, 4:13:58 PM

タイムマシーンがあったなら、
貴方に再び会えるのでしょう。
それでも過去に戻りたいとは、
貴方にもう一度会いたいとは、
口が裂けても言えないのです。

初めて出会った時の胸の高鳴りも、
貴方と話していた時のなんとも言えない幸福も、
薄れてしまったのです。忘れてしまったのです。
私はこんなにも薄情な人間だったのです。
貴方に合わせる顔がない。
貴方の声も、もう思い出せないのです。

それでも貴方を愛していたのは確かです。
貴方に振られた時の胸の痛みも、
もう二度と会えないと知った時の絶望も、
全て、嫌に鮮明に、憶えているのです。

この苦しみを、貴方を愛していたという証明を、
大事に仕舞っておきます。

私はあなたを確かに愛していた。
けれど今は愛せるかわからない。
それならば、幸せで辛かったあの記憶のまま、
閉じ込めておきたいのです。

1/21/2024, 1:04:41 PM

彼に褒めてもらえるように、出来る限りのおめかしを。
彼と素敵な時間を過ごす為に、真心を込めたお料理を。
彼との話が途切れないように、趣味の予習はばっちり。

あとは、何をすればいいのかしら。
初めての事でドキドキが止まらないの。
正解がないなんて、とっても意地悪な問題ね。
それでも嫌じゃないのは、すごく幸せだから。

何度も時計を確認して、何度も鏡を見返す。
早く彼に会いたいという気持ちと、
まだ心の準備が出来ていない気持ちとが葛藤する。

落ち着け私、安心して。
今日はきっと、人生で一番特別な夜になるから。

1/20/2024, 5:28:12 PM

消えてくれ

貴方が私に言った、最初で最後の言葉。
何度も貴方に会いに行ったのに、
毎日貴方だけを見ていたのに、
私の愛は、届いていなかった。

貴方の家で毎日晩御飯を作っていたのは私なのに。
貴方に視線を送る邪魔な女は私が追い払ったのに。
貴方はその女の手を取って、私の手を振り払った。

認めて貰えない愛は、持っていたって意味が無い。
愛されない私は、生きていたって邪魔なだけよね。

だけど確かに私は貴方を愛していて、愛されたかった。
どうかそれだけは、覚えていて欲しいの。



雪の降る暗い夜の中、独り海を目指す。
貴方に初めて出会った場所。貴方を好きになった場所。
この海に二人で身を流すのが夢だったのだけど、
貴方の願いはこれでは無いのでしょう。
貴方の幸せを望んでいるの、壊す事など出来やしない。
私の事を嫌いになってもいいわ。恨んだっていい。
だから、絶対に忘れないで。最期のお願いよ。

海の底へと沈んでいく。貴方への愛を握りしめて。

1/19/2024, 2:30:04 PM

君に会いたくて、唇に紅を引いてみる。
明るくなった自分の顔、少しは君に釣り合うかな。
小さく聞こえた褒め言葉が、私の耳を赤く染めた。

君に会いたくて、赤い腕輪を付けて行く。
君から貰った初めての贈り物。
自分で言うのもなんだけど、私にとっても似合ってる。

君に会いたくて、赤い靴を履いてみる。
ヒールが高くて何度も転びそうになっちゃったけど、
君はその度に微笑んで、私を支えてくれた。

君に会いたくて、首に赤い線を引いた。
何も言わずに逝ってしまったから、
お洒落をする余裕が無かったの。これで許してね。

Next