消えてくれ
貴方が私に言った、最初で最後の言葉。
何度も貴方に会いに行ったのに、
毎日貴方だけを見ていたのに、
私の愛は、届いていなかった。
貴方の家で毎日晩御飯を作っていたのは私なのに。
貴方に視線を送る邪魔な女は私が追い払ったのに。
貴方はその女の手を取って、私の手を振り払った。
認めて貰えない愛は、持っていたって意味が無い。
愛されない私は、生きていたって邪魔なだけよね。
だけど確かに私は貴方を愛していて、愛されたかった。
どうかそれだけは、覚えていて欲しいの。
雪の降る暗い夜の中、独り海を目指す。
貴方に初めて出会った場所。貴方を好きになった場所。
この海に二人で身を流すのが夢だったのだけど、
貴方の願いはこれでは無いのでしょう。
貴方の幸せを望んでいるの、壊す事など出来やしない。
私の事を嫌いになってもいいわ。恨んだっていい。
だから、絶対に忘れないで。最期のお願いよ。
海の底へと沈んでいく。貴方への愛を握りしめて。
1/20/2024, 5:28:12 PM