揺れる木陰にひとつの影
誰かいるのだろうかと覗いてみた
そこには黒猫が1冊の本から測れず眠りについている
少しだけ昨日見た夢とリンクしていた
真っ暗闇に立つ眩い光
そこに僕と、綺麗な毛並の黒猫がいた。
黒猫が僕に笑いかける
「次に風が吹いたなら今の私は消えてしまうけれど、もしも道に迷って思考さえも濁ってしまうときが来たなら
あなたの1番大切な本を手にとって、どうしてそれが1番なのか考えてみてね。きっとあなたが道に迷うのは大切なことに板挟みにされている時。だから思い出してみてね。あなたの大切なものを」
そこで夢は覚めてすっきりはしなかったから顔を洗い外に出て歩き始めた。猫を探す。そうしてここにきて、あの黒猫を見つけた。
黒猫、黒猫?1番大切な本?それは僕が君と何度も何度も痕が残るほどに読み込んできたもの。そして隣にいた君は僕の1番優しい1番大切な記憶。君はいつでも僕と共にあったのか、僕はいつでも独りだと思っていたのに。移り変わる季節に忙殺された自分の気持ちを見つめ直してひとつだけ。
「君にもう一度会えるなら僕の今伝えたい」
真昼の夢優しくてどこか儚かった
周りを見ても声を上げても
誰にも届かない
それが寂しくて目を閉じた
届かないなら諦めてしまおう
弱さはそこにあって
そこだけにあっか
私はどうしようもないくらい
真昼の夢に溺れていた
二人だけのこれからを作ろう
何でもいいんだ
未来でも約束でもなんだっていい
二人だけが信じられるなにかを
大嫌いな夏がやってくる
太陽も半袖も蝉の鳴き声も海も虫も
その他すべてが嫌いだ
この世界で一番嫌いなものが太陽な私は
本当に生きることに向いていない
夏が嫌い
夏のすべてが嫌いなもの
隠された真実を知ったとしても
それは隠されていたものだから
きっと暴かれたくはないのでしょう?
だから触れないでおくね
それが優しさになるかはわからないけれど
君には笑っていてほしいんだ
それを暴くことで君から笑顔が奪われるのなら
僕はきっとできないからさ