風鈴の音が色んなところからきこえる
レストランやカフェの扉の上
通りに並ぶ家の庭に面した窓のどこか
それか玄関
風鈴の音はちりんちりんと響いて
優しく鼓膜を揺らし
そうして夏がきたことを教えてくれる

どんなに苦しいと思っていても
心だけが考えることをやめない
心だけ逃避行をしてくれない
自分を守ることをいつからか出来なくなって
気付いたら自分を追い込んでいる
それに気付いてもとまることはなない
束の間逃げれたとしても
短い時間に何も出来ない
昔からずっと
私だけが私を攻責めている

長く長く冒険をしてきた気がする
迷って立ち止まって歩きだして
いろんな人を助けて助けられて
正しさよりも優しさを選ぶような
そんな冒険をしてきた
悔いはない
残らないように生きている筈だから
だからここからは
冒険を終えた次のページを生きていこう

届いて...
お願い
私の想いが夜空に浮かぶあの月に届きますように
どこに行くことも無いけれど
お月様があれば私は寄る辺を失わずにいられるの
いつまでも傍にはいないのに
こんなにも温かいのは
きっとお月様に恋をしているからね
叶わなくていいの
けれどお月様に救われている私のことを
どうか知ってほしい
だから届いてほしい

あの日の景色を忘れることはない
どんなに願っても戻ることはないけれど
苦しそうに泣いていた君を
それを放っておけなかった私を
そうしてふたりとも傷ついた日々を
あの日一緒に見た夢を
忘れることは決してない