星を追いかけて夜空を駆けた
何度も見失って何度も転んだ
幾粒かが目に入って瞬きをした
けれど痛みが取れなくて
涙に変わった
私の涙が新しい星となって銀河を彩る
その様を綺麗だと笑う君がいた
飛べない人は
機械を使い空を飛ぶ
浮いているのも動かしているのも人なのに
人単体では飛ぶことは出来ない
もしも人が飛べるなら起きなかった事件は
数え切れないだろう
飛べない誰かが飛ぼうとする世界さえ
なんの救いにもならないのだということを
私は知っている
今日は特別な日
なにもない特別な日
普通がこの世界で珍しかったら
きっと目を輝かせるのだろう
いつからか普通よりも特別に惹かれて
普通を蔑ろにしている気がする
慣れてしまえば感情が薄れるなら
特別な日めた慣れてしまえば目を輝かせはしないのだろうか
よくわからないなと思う
普通の日も特別な日も同じ日なのに
熱量が違うのは
人は当たり前にあるもものに気づきにくいからなんだろうな
揺れる木陰にひとつの影
誰かいるのだろうかと覗いてみた
そこには黒猫が1冊の本から測れず眠りについている
少しだけ昨日見た夢とリンクしていた
真っ暗闇に立つ眩い光
そこに僕と、綺麗な毛並の黒猫がいた。
黒猫が僕に笑いかける
「次に風が吹いたなら今の私は消えてしまうけれど、もしも道に迷って思考さえも濁ってしまうときが来たなら
あなたの1番大切な本を手にとって、どうしてそれが1番なのか考えてみてね。きっとあなたが道に迷うのは大切なことに板挟みにされている時。だから思い出してみてね。あなたの大切なものを」
そこで夢は覚めてすっきりはしなかったから顔を洗い外に出て歩き始めた。猫を探す。そうしてここにきて、あの黒猫を見つけた。
黒猫、黒猫?1番大切な本?それは僕が君と何度も何度も痕が残るほどに読み込んできたもの。そして隣にいた君は僕の1番優しい1番大切な記憶。君はいつでも僕と共にあったのか、僕はいつでも独りだと思っていたのに。移り変わる季節に忙殺された自分の気持ちを見つめ直してひとつだけ。
「君にもう一度会えるなら僕の今伝えたい」
真昼の夢優しくてどこか儚かった
周りを見ても声を上げても
誰にも届かない
それが寂しくて目を閉じた
届かないなら諦めてしまおう
弱さはそこにあって
そこだけにあっか
私はどうしようもないくらい
真昼の夢に溺れていた