無垢な心を持って生きていく。
それがどれだけ難しいことか。
無垢なように振る舞うことはできるが、
それが本当の純粋さでは無いことは理解している。
自分の中から無垢が消えていくにつれ、
だんだんと世の中がつまらなくなっていく。
逃れられない運命に気付いた時、
そのどうしようもない絶望に、私は思わず大声を上げて部屋中を駆けずり回った。
そんな事をしたって何も問題は解決しないのに、
それでも私は叫び続ける。
やがて疲れ果て、全てを吐き出した頃。
ようやくベッドに横になり、明日を迎える。
君の目を見つめると、
そのキラキラして澄んだ瞳の中に、
醜い自分の姿が映り込んでしまっていた。
なんだかそれが無性に恥ずかしくて、申し訳なくて、
そんな自分が嫌になって、
どうすれば自分のことをもっと好きになれるのか、
今も悩んでいます。
太陽のような、月のような。
「どっちなんだよ」
よく昼間に出ている。
「ならそれは太陽だ。太陽が出ているから昼になるんだ」
よく欠けたり、穴の空いたような形になったりする。
「ならそれは月だ。月は半月や三日月になったりする」
だがそれは、月ではない。
「月ではないのなら、月ではないのだろうな」
そして、太陽でもない。
「一体それはなんなんだ」
そう、それは…
青年は暗闇を歩いていた。
誰よりも…強く、優しく、美しく。
どれどけ理想を追い求めても、その実夢は叶わない。
怒られて、褒められて、また怒られて
無限に続くハードル走のように、
一つ壁を越えたとて、また次の壁が現れる。
我ながらうんざりするような人生ではあるが、
これを繰り返し続けて、
いつかその壁がなくなった時、どんな景色が見えるのか。
とても見晴らしが良いのは確かだろうが、それを少し虚しく感じてしまう自分もいる。
いっそのこと、
さっさと諦めて壁と壁の間で生きていけば随分と楽なのだろう。
しかし、またそうも行かないのが青年の性であった。
不器用でも必死に喰らい付いていくのが、青年の有様である。