物忘草(ものわすれくさ)
冬になると薄い黄緑色の綺麗な花を咲かすこの花は、広義にはウスアカイロ科のキミドロ属、狭義だとピンイロ属に分類される為、鮮やかな紫色の花を咲かす。
中世に長い戦から帰還した一人の棋士が、迎えに来てくれた自身の娘の名を思い出せず、その時に男が握っていた花と、娘に言われた言葉が由来だと言われている。
「お前、ブランコって知ってるか?」
職場の先輩に恋愛相談をしていると、突然先輩は私に質問を投げかけた。
「ブランコって、あの公園にある奴ですよね?」
「ああ、そうだ」
先輩は静かに頷くと、私にこんな話をしてくれた。
「ブランコってのは、振れる周期に合わせて力を加えてやると、その分大きく動くよな」
「ええ、そうですよね」
「恋愛も同じで、押す引くのバランスが重要なんだよ」
などと語り始めるが、確か先輩が今の奥さんと結婚出来たのは、先輩の方から強引に何度もアプローチをしたおかげだと、恋愛は攻めに攻めまくるのが大切だと、昔得意げに話していたような気がする。
「前に強く押せば押すほど、後で返ってくる時の反動が大きいんだ」
そう言いながら、先輩はこっそりと私に離婚届を見せてくれた。
工場で働く1人の青年がいた。
コンベアから流れる小さな部品たちを眺め、青年は考える。
(俺は今のままで良いのだろうか)
今の生活は平坦だがそれなりに安定している。
しかし、目の前で流れる部品たちを見ていると、所詮、自分も社会の歯車という部品の一部でしかないことを思い知らされているような気がして、とても不安になった。
形容し難い不安感に襲われて、自分を見失いかけた青年はある一つの提案を思いつく。
(そうだ、旅をしよう。そこで本当の自分を見つけるんだ)
次の日、青年は仕事を辞め、小さなバッグに荷物を詰め込むと、世界一周の旅に出た。
世界一の大都市を見て周り、異国の言葉と文化に触れ、貧しい国の生活を知ることもできた。
長い旅路の果てに、青年は自宅へと帰還する。
そして、ある一つの事実に気づいてしまう。
「なんということだ。来月の家賃を支払うお金がない」
慌てて知人から日払いの仕事を紹介して貰うのだが、そこは以前勤務していた工場だった。
あなたに届けたい。
貸してもらった42冊の単行本。
中々まとまった時間が取れなくて、
途中まで読んでは最初から読み直しの繰り返し。
気つけばもう何年も借りたままの状態です。
今更返すのが気まずくて、郵送で送るのも失礼だし、
もう死ぬまで借りようかと考えてます。
I LOVE…
私は私のことを誰よりも愛し大切にしております。
私のことを大切に思ってくれる貴方を大切に思う私を大切に思い、
時に過ちを犯す私を戒める私を誇りに思います。
その心意気がある限り、私はまだまだ成長できると信じています。