工場で働く1人の青年がいた。
コンベアから流れる小さな部品たちを眺め、青年は考える。
(俺は今のままで良いのだろうか)
今の生活は平坦だがそれなりに安定している。
しかし、目の前で流れる部品たちを見ていると、所詮、自分も社会の歯車という部品の一部でしかないことを思い知らされているような気がして、とても不安になった。
形容し難い不安感に襲われて、自分を見失いかけた青年はある一つの提案を思いつく。
(そうだ、旅をしよう。そこで本当の自分を見つけるんだ)
次の日、青年は仕事を辞め、小さなバッグに荷物を詰め込むと、世界一周の旅に出た。
世界一の大都市を見て周り、異国の言葉と文化に触れ、貧しい国の生活を知ることもできた。
長い旅路の果てに、青年は自宅へと帰還する。
そして、ある一つの事実に気づいてしまう。
「なんということだ。来月の家賃を支払うお金がない」
慌てて知人から日払いの仕事を紹介して貰うのだが、そこは以前勤務していた工場だった。
あなたに届けたい。
貸してもらった42冊の単行本。
中々まとまった時間が取れなくて、
途中まで読んでは最初から読み直しの繰り返し。
気つけばもう何年も借りたままの状態です。
今更返すのが気まずくて、郵送で送るのも失礼だし、
もう死ぬまで借りようかと考えてます。
I LOVE…
私は私のことを誰よりも愛し大切にしております。
私のことを大切に思ってくれる貴方を大切に思う私を大切に思い、
時に過ちを犯す私を戒める私を誇りに思います。
その心意気がある限り、私はまだまだ成長できると信じています。
変わらないものはない。
田んぼと古びたゲーセンしかなかった私の町は、
近くの山に大学が建ってから、ものの十数年で大通りにビルが立ち並んだ。
町並みが街並みへと変わってゆき、気づけばここに住まう人並みも変わっていった。
人の数は増えたが、ふと、あの頃を思い出すと、どこかもの寂しさを感じてしまう。
「へい、お待ち!」
だからせめて、この味だけは変わらないでいて欲しい。
冷めたコンビニの弁当。
いつもよりだいぶ濃いめのハイボール。
こいつを飲んで、さっさと今日とおさらばする。
玄関で山積みになった白いビニール袋。
子ども達が見たら、私をサンタクロースだと勘違いするだろうか。
せっかくの聖夜だというのに、
私のクリスマスの過ごし方は最悪だ。