こどもの頃の6月は
今と比べて、雨が優しかった気がする。
窓を叩く雨音も、
時に、心を落ち着かせてくれる獅子落としのよう。
夕立ちや、通り雨は、
遊びに夢中のこども達へ、
はやく、家に帰るよう促すお母さんのよう。
そんな6月の風景を、
奥ゆかしく、あじさいは眺めていました。
真夏日や、
ゲリラ豪雨は、
正直、
あなたにお似合いとは言えないわね。
おたがい、仕事が忙しくて、すれ違いの毎日。
わりと、よく聞く言い訳です。
りゆうは、私の方だけなの??
なんとなく、会話が噛み合わなくなって、2年近く。
きのうより、今日の方がつらくなって。
たぶん、お互い、切り出せずにいる言葉がある。
びかしたいなら、価値観の相違、なんてどうかしら。
世間が人の行き来を認めない時期だった。
仮に会いに行っても会えない、そんな頃だった。
そのことを、言い訳にした。
会えば認めざるを得ない現実から、逃げていた。
もともと社会人になってから、あまり家には帰らなかった。
半ば家を出たくて選んだ、今の仕事。
ようやく打ち解けたのは、10年ほど前のこと。
母は、変わらず、元気そうだった。
ただ、母に病巣が見つかったことも会いに行った理由の1つだった。。
どこか、言葉で語らずとも繋がっている感覚が、母とだけはあった。
だから、会えないことに罪深さを感じてこなかった。
大丈夫だから、といつだって言ってくれてるような気になっていたから。
予感がした。
朝、出勤前につけるマスク。
左耳にかけるときに、何故か、紐が切れた。
激しい動悸、心拍数はあがった。
結局、やっぱり、母とは、繋がっていた。。。
実家に駆けつけると、何事も感じさせない静かな時間が流れていた。
家路を急いだ理由も忘れるくらいに…。
どうしても、実感が、湧いてこなかった。
居間の横の部屋に、
すでに、主のいないベッドがあった。
その枕元、
いびつに切られた配送伝票が置かれていた。
!!
私の送った、季節の果物セットの送り状。
なぜか、これだけはずっと置いてあったのよね、と妹。
ヒザから、ガクッと崩れ落ちそうになるのを必死にこらえた。
待っていたのだ。
いつだって、私に会える日のことを。
ごめんね、ごめんね、ごめんね、ごめんね、、、
喉の奥が熱くなりながら、
もう会えない事を、その時、はじめて実感した。。。
今、私は、実家に近いところで暮らし始めました。
季節が代わるたび、
近況報告をしに行ける位の距離に。
新生活、緊張とうきうきを纏った頃の、新しい制服
衣替え、季節は初夏へ、半袖
夏休み明け、ひさしぶりに会った時の、小麦色の肌
朝夕、少し寒くなって来た頃の、冬服
1年のうちで、
ドキッとする出会いは、
むかしから、同じね。
ウィリアムテル、、だったかしら。
あの曲を聴くと、遠い日の体育祭を思い出します。
成長期もあったでしょうが。
たまたま、体育祭前の校内運動測定、50M走で1番になって。
一躍、時の人として迎えた体育祭。
華のリレーの、第一走者。
体育祭は、一周200Mを競います。
結果は、100M過ぎたあたりから大失速、、、大惨敗。
曲のタイトル通りの結果に終わったけど。
あの日の経験があったから、今、自分に自惚れず、やれています。
だから、
今の私には、
順番的には、
地獄と天国、かなぁ〜