良いお年を
SNSで交わす大晦日
良いお年を
何回も投稿しない、
対面でない
それでも書く習慣。
今年1年ありがとうございました
良いお年をお迎え下さい
来年もよろしくお願いいたします
日本中で投稿されるのは習慣か
、
社会に繋がる窓枠に
必死に掴まる悲鳴のような
星に包まれて
学校帰りの夕暮れに
お寺で習う習字の日
先生が厳しくて今日は
ずいぶん遅くまで終わらなかった
田舎道は暗く点々と街灯が灯るのみ
家路へ道は登り坂
いつもは気に留めない
麓の馬頭観音
が小さな灯りで照らされて浮かんで見える
ゾッとした私は走り出した
坂道を逃げる
坂の上の灯りまで
胸も横腹も痛い
家までもう少しだ
坂の上は星でいっぱい
天の川が流れ落ち
息切れた私の胸もいっぱい
山に包まれた里の空は星で包まれて
家々の灯りさえ星に混じっている
*
ただいま
おかえり。
静かな終わり
お互いの目が合った
久々の仲間とパーティで
冗談に笑っていたとき
食事をし再び杯が上がったとき
さざめく人々の向こう
と何度も目に入る目
解散のそぞろ歩き、またねと呼ぶ声
駅へ向かう私の後ろから足音高い人
並んだ時に彼だと分かった
、
「たくさん目が合ったね」
「ちょっと話さないか」
こっちをしっかり見る目が光っている
いつの間にかワクワクしだして
そうね、と口から出たあと
派手なライトが光る街で
手を繋ぐでもなく歩く
*
彼の胸を撫でながら
いつから、いつまで、訊く事は
天井のライトに滲み
やがて駆け上がる血液、弾む身体
荒いため息の後
に仰向けで衝動のあとをなぞる
口づけひとつ
ふたつ、みっつ
その後を思い返すほど長くはない
後向きでストッキングを履く時に
背中に掛かる声が甘い
ここから始まる恋が
長く続くと思うほど若くはない
明日ではないけれど
静かに去っていくひとが浮かぶ
でも
、
素敵だ、のひと言に
今は夢中になっていたい
心の旅路
私はできる。
やる事がいっぱいあって、
全然眠くない。
夢中に無心にやっていこう。
何だか心が元気に満ちあふれてる
楽しい毎日。
今日も明日も
昨日より今が一番大切なの
何がいけないの、
ちゃんとやってるじゃない!!
あれもこれもいつも
出来ていた筈なのに
何故出来なくなってるの
私ってこんなにできなかったっけ。
眠くてだるくて力が抜けてく
今はできないの、
昨日もできなかった。
*
できなくなって何年経っただろう
まだ寝付きは悪いし
ずっと薬は要るし
人生真っ逆さま
出来ていたあの頃と正反対の
日常はこんなにも無愛想
生きている、が薄く張り付いていて
自分を抱きしめても
今しか分からない
昨日のことも明日のことも
陰っていて見えない
凍てつく鏡
凍りついた世界の
森は木々が白く包まれ
白銀には獣の足跡が見えているのみ
大きな角を持ち逞しい体躯の大鹿
がゆっくりと歩いている
かんじきを踏みしめ新雪を進んでいくと
目の前で大きく跳ねた大鹿に驚いた先
には大きく開けた静かな空が見え
、
風が吹いてめくれた雪の下
足元が固いのに気づいて見ると
ブラックアイスバーンだ
沼もチリチリと凍ったのだろう
私の影が映り込む
映る空の色も青く輝いて
凍る世界に光を反射している
頭を上げれば向こう岸に
白樺と松の森が見えた
みっしりと高く伸びている木々
が行き止まりの暗がりを成している
沼の雪が吹かれ、
表面は空の色を映していて綺麗だ
罠を見回るのもひと休みして
背嚢からスキットルのウィスキー
を取り出し一口含む
獲物もよく捕れた
今日は気分が晴れやかだ