待ってて/春の薫り
淡い桃色の花が咲き
追って白い花が咲く
山里の梅園に
美しい若者と
美しい娘が
現れた
待ってて良かったと
娘が紅い唇で囁くと
若者は涼しい目を細めて
ほんとうにそうだねと返す
毎年枝ぶりが変わろうとも
紅梅の精たちは変わらずに
久しぶりの逢瀬に囁く
その声が広がり香しく
園の花々が人の世界に
愛しい春を告げる
伝えたい/書いて伝わるといいな
気持ちを伝えたいのに
うまく伝わらない
言葉を変えてみても
伝わらない
書いた言葉で伝えたいって
とっても難しい
あなたの気持ちを考えないで
いくら書いても
伝わらないよね
話せたらいいな
仲良く話せたらいいな
でもそれも難しい
書いた言葉でも伝わるなら
本当はたくさん伝えたい
ことがいっぱいあるけれど
この場所で/私も友だち
次も会おうね
やっとできた友だち
いろんな話ができて
楽しいから会いたい
気が小さくて
話しかけるのが
なかなかできない
そんな私でもできた
大好きなサッカーの話
同じクラブが好きだって
見つけてくれた熊のグッズ
好きだから付けてる
推しの選手のグッズは
私のちっちゃい自己主張
女子のみんな各々自己主張
見つけるって、
仲間意識なのかな
声掛けてくれた同じ
クラブの印がつないだ
友だちとの出会いがまた
新しい友だちにつながって
皆んなで集まるお店に行くと
チームみたいにどんどん増えて
仲間外れなんていないから
少しずつ慣れてきた場所
また会おうね
今度の試合で
自然なセリフがなにより嬉しい
誰もがみんな/優しい神様
皆がみんな同じ生活をしている訳でない
誰もが違う願いを込めた祈りを
目の中の光の中で滾々と湧かせる
日々の楽しみや喜びが続きますように
日々の努力が黄金の実りに続きますように
日々の骸が累々と渡る道に
レールを敷いて走る列車には
前を向いた人々が爛々と見る未来
乏しい日々には切符がない
切々と歌を書き嘆く空に
優しい思い出は吹きすさぶ
誰もがみんなおっかない暗闇に
引きずられないように
祈る気持ちで鳥居をくぐる
切符がなくても誰でも来られる
優しい神様がいる
叶うという明るい夢の神様がいる
花束/まごころ
おめでとうと言ってくれる
ありがとうと言ってくれる
大好きだよと言ってくれる
花束の笑顔たちは贈り主の
お祝いとまごころの集まり
まごころが集まればたとえ
三本のバラにさえ表れる心
花を贈ることは仏頂面でも
驚きと困惑の中に愛を見る
仄かな灯火の友愛なくして
贈ることはできないのが人
思い出に花束を贈るように
悲しみの中にでも愛は宿り
遠い笑顔に無邪気な笑みを
供えて手を合わせる仕草は
常世での幸せを祈っている
人間は遥か昔からそうして
まごころを伝えて来たんだなあ