伊藤透雪

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凍てつく鏡


凍りついた世界の
森は木々が白く包まれ
白銀には獣の足跡が見えているのみ
大きな角を持ち逞しい体躯の大鹿
がゆっくりと歩いている

かんじきを踏みしめ新雪を進んでいくと
目の前で大きく跳ねた大鹿に驚いた先
には大きく開けた静かな空が見え

風が吹いてめくれた雪の下
足元が固いのに気づいて見ると
ブラックアイスバーンだ
沼もチリチリと凍ったのだろう
私の影が映り込む
映る空の色も青く輝いて
凍る世界に光を反射している

頭を上げれば向こう岸に
白樺と松の森が見えた
みっしりと高く伸びている木々
が行き止まりの暗がりを成している
沼の雪が吹かれ、
表面は空の色を映していて綺麗だ
罠を見回るのもひと休みして
背嚢からスキットルのウィスキー
を取り出し一口含む

獲物もよく捕れた
今日は気分が晴れやかだ

12/28/2025, 5:06:43 AM