伊藤透雪

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12/27/2025, 1:44:55 AM

雪明りの夜


軋む雪道を歩く
鼻を突き上げる寒さを
両手袋で覆いながら

私は今日家族と別れ
ひとり街に出る
新しい生活を作り
前へ進むために

見上げる空に三日月
が煌々と光り
早々と暗くなった雪国を
見下ろしている細い目
足元が微かに白く浮かび
足跡をくっきりと見せる

後悔しないか
出ていく寂しさを置いていく心
の隙間に明日を埋めよう
顔を上げて白い息をはいた

12/26/2025, 2:31:46 AM

祈りを捧げて


ヒトは祈る
上手く行きますように
鎮まり給え
御守り給え

ありがとうございます
の祈りは少ない

時間は進むのに
過去に怖れ
災いの元を決めたがる

今日も生かせていただきありがとうございます
の時代が来るのを
祈る人々が増えますように
ヒトは時間にも祈る
できないことは後回し

祈りが永遠の文明になるには
ヒトの進化を待つしかない
祈らずに
重ね合う思いやりの上に築く
気の遠くなりそうな時間の先に
世界に
後回しせずに祈りを捧げよう

12/24/2025, 3:20:13 PM

遠い日のぬくもり


私の大好きなエメラルド色メランジ
ふわふわのマフラーをくれた彼に
メリークリスマス
笑顔を作ったけど
微妙な表情の裏を感じて

素直になれなくて
ぎこちないありがとう

ハグもキスもしなくなってどのくらい
経ったか覚えてない
甘えに行くのも気まずくなってた
でも、
覚えていてくれた事が嬉しくて
出会った頃の思い出が溢れる
まだ大好きだよ
言えたらいいのに

言ってしまったら泣いてしまいそう
またLast Christmas聴いてる

12/23/2025, 1:25:30 PM

揺れるキャンドル


お父さん
あの世はどんなとこですか
今はもう
仲間でもできましたか

この世に来たら知らぬ間に
景色もずいぶん変わったでしょ

灯した蝋燭ゆらゆら揺れて
花と一緒に流す舟
あの世へ送る渡し舟

12/23/2025, 2:40:11 AM

光の回廊


暗がりに懐中電灯で照らす
と矢のように光が指すのは
曲がりくねった道。

「この道で合ってるのか」
「その筈だ」

さざめく葉擦れ
右への指示版が掠れて見えた。
こっちだ、
キョロキョロしているツレの肩を掴む。
若干の登り坂を指す懐中電灯は
左への指示版にうっかり当たってしまう
右は真っ逆さまの崖だ。

背中が寒くなりながら焦って左へ向かう
と僅かに窪んだ道に出た。
灯りを振ると、どうにか降りる道
がまたクネクネと続いている。
ツレが背中に手を当てているようだ。

「行くぞ」

返事は無いが構わず進む。若干
急ぎ足になって、くねる道を行く。
街灯が見えた途端

山道は無くなってしまった。
俺達は何処へ迷い込んだのだろう。
誰もいない平坦な所
で懐中電灯はなお灯りを指す
すっかり日が落ちてしまうまで、
山で夕日など見ている場合でなかった。
煙草を取り出し火を付けふかし
ふと
やたら長く感じたな、と腕時計を見た
10分しか経っていない。
まさか、と思いかけた頭を振った

麓の灯りがありがたい。
道路の照り返しはホッとする
んだなと僅かな視界で撫でた道
で振り返ってツレを見た
街灯の陰で薄暗く黒くうっすらしている。

「おいっ」

ニヤリと笑う人影に背筋が凍った。




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