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9/29/2023, 2:21:08 PM

《静寂に包まれた部屋》

〜静寂をあなたに〜
行き交う人の話し声、自動車の排気音。
けたたましいサイレンやスマホのプッシュ通知など。
身の回りの日常の騒音から離れてみませんか?

✳︎「静寂に包まれた部屋」には
何も持ち込むことはできませんのであらかじめご了承ください。

そんなチラシが郵便受けに入っていた。

通勤に使う駅構内、狭いホームには
観光客がゴロゴロ運ぶトランク、飛び交う外国の言葉
頭の上から降ってくる大きな声のアナウンス。
そしてプラットホームに出入りする電車の騒音。

耳栓をしてちょうどいいくらいの音量。

やかましいのは疲れると思っていた時に
このチラシを見たものだから


つい予約しようかと思って問い合わせた。

手荷物は全て受付に預けていただきます。
衣類の擦れる音もないように更衣室で専用の服に着替えてもらいましたら、部屋にご案内させていただきます。

部屋といってもカプセルホテルのような
寝ることができる最小限のスペースです。

扉の鍵は外から掛けますので、時間になれば
鍵を開けに参ります。

照明もありませんので扉の開け閉めする時だけ
廊下の明かりが部屋に漏れる程度です。

皆様、居心地がよろしいようで、長時間利用される方
ばかりですよ。

との事。



落ちていたノートのページに記されていたのは
ここまで。

書いた人がその部屋に行ったかどうかはわからない。

耳栓したら外からの騒音は小さくなるぶん
自分の内側からの音が大きく聞こえるんだよね。



その部屋って棺桶っぽいよなぁ〜

死んでたらどんな音も聞こえないもんな。。。




え?









9/20/2023, 11:30:25 PM

《大事にしたい》


お気に入りと

宝物。

大事にしたいもの、


それぞれにしまってある場所が違うから




お気に入りは一番身近にあって

宝物はしまい込んでいるから一番遠いところにあって。


大事にしたいものは


離さない強さで抱きしめているから

大事にしてるはずなのに

壊れがち。



9/19/2023, 1:51:00 PM

《時間よ止まれ》



時間よ止まれ。


止まってしまったら?
何もできなくなってしまうよ?



よりも

時間よ戻れ?




やり直したい?


いや、たぶん
やり直せない。

たとえ時間が戻っても
同じ過ちを繰り返すだけ。


なぜなら
時間が進んだ今でも
同じ過ちを繰り返しているから。

過去から何も学んでいないから。

9/16/2023, 11:14:00 AM

《空が泣く》

「今日の天気は、晴れ時々曇り、ところによりにわか雨があるでしょう。昼過ぎから不安定になりやすく、いきなり雨が降るかもしれません。傘の用意をお忘れなく」


なんやねんな。
だいたい、こんなん天気予報ちゃうっちゅうねん。

ラジオにツッコミを入れながら朝ごはんをいただく。

しばらくすると

ほんとに降ってきた。わりと早い時間帯から。

しかもけっこう激しく。



今年の終戦記念日は雨が降った。

自分が生きてきた中で、何回目の終戦記念日だろうか。

ほんとに今まで雨が降ったこと、あったかぁ?

カラッと晴れてて、暑い日差しの中での黙祷が
記憶に残っている。


この雨を涙に例えるならば
号泣と言えるような。


かつての精鋭たちが
今の日本を憂いて流した涙なのだろうか。



そんなことを思った2023.08.15.


3/16/2023, 6:41:18 AM

《星が溢れる》

幼い頃に見た夜空が忘れられない。

市内に住んでいれば、夜などは街の明かりで
星の輝きはかき消されてしまうし
夜、外出したところで空を見上げることもない。

専ら星を見るといえば、プラネタリウムを鑑賞する
くらいで、星座を教えてもらっても
ピンとこない。

だいだい、「あの星とあの星をつなぐとね?ほら!」と
教えてもらっても
指さした方角の「あれ」が「どれ」なのかさっばり
わからないから、興味の沸きようもない。

夏や冬になると
母の実家に帰省することが多かった。
前方には海、後方には山が連なる田舎町。

夏でも窓を開けていれば涼しい風が入るので
エアコンはなく、蚊取り線香と蚊帳がある部屋に
寝る。

年頃になれば従兄弟が集まり、たまにしか帰省しない
私たちと会えない時間を埋めるように話込む。
夜更かししている、といったいつもとは違う時間の使い方に大人っぽさを感じながら
窓の外を見る。

真っ暗。波の音だけがたぷたぷと聞こえてくる。
明かりといえば
たまに走り去る車のヘッドライト程度。

空を見上げる。

びっしりの星。星と星をつなげて形を作るなんて
何万通りもできそうなほどの星の数。

蠍座?蟹座?
夏の大三角形?

どこにでもできそう。

何時まで起きていたのか、なんてこともわからないし
従兄弟たちとどんな話をしたのかなんて
覚えていない。

覚えているのは
あの家で、2階の窓から眺めた
宝箱から溢れ出たような数の星。

今は、住む人もいなくなってしまったから
その家に入ることは叶わないのだけれど
願わくばもう一度、あの窓から
深夜に空を仰ぎたいと思っている。

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