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1/18/2025, 11:30:58 AM

《手のひらの宇宙》


薬局へ行った。
頭が痛かったから頭痛薬を買い求めた。

白衣を着た販売員に代金を渡した。
おつりをいただく際に
右手を出した。

その手のひらを見た販売員が
「あなた、芸能の仕事?」とたずねてきた。

「いいえ」と答えると

「あなた、向いてるのに残念ね」と言った。
「表の看板見なかった?手相を診るのよ。
時間があるなら、診ましょうか?」


頭が痛かったから、遠慮して帰った。


手のひらを見ながら歩いた。

手のひらのしわ。
そこに未来が描かれているのなら。


幸せな未来が描かれているのなら、
ずっと握って離さないでいようと
手のひらをぐっと握った。


と同時に
握りつぶしてしまうんじゃないか
と怖くなって

また手のひらを見つめた。



手のひらのしわは
夜空に見える星の位置と同じように
少しづつでも変化しているらしい。


肉眼で見える夜空は
手のひらのしわに似てるかもしれない。

そんな
手のひらに頭痛薬をのせて一気に飲んだ。




手のひらの宇宙。

いいえ
手のひらに宇宙。



1/14/2025, 9:34:42 PM

そっとしといてほしい。
泣き止むまでまだ時間かかりそうだから。





そっとしといてほしい。
受け入れるには準備が必要だから。





そっとしといてほしい。
外の明るさはまだ眩しくて目をあけることが
できないから。





そっとしといてほしい。

12/18/2024, 12:17:34 AM

《とりとめのない話》

・昼ごはんの後、必ず眠くなる。
いつもうつらうつらしてる職場で
ついに居眠りがバレたようで

「明日、産業医さんとの面接入れたから、面談よろしく」と。

産業医さんに食後の眠気について聞いてみた。

「それは、誰にでもあることだから気にすることもない。眠たくなれば寝ればいい」


そんな職場、実在するなら教えてほしい。








・やっと離婚が成立した。
1人で生きて行くんだと意地を張って
慰謝料なんてもらわなかったことが
スムーズに成立できた原因のひとつだろう。


妹から連絡が入る。
「慰謝料どうなったの?」

もらわなかったなんて、バカなのか?
と罵られそうで恥ずかしくて言えない。


「その話、できない」

「心配して言ってるのに、なんで教えてくれないの!」


言う、言わないに関わらず
怒鳴られる結末だったみたい。


離婚したこと、親戚に言いふらして
慰謝料の額知りたがるのって

本当に私のこと心配してる?
それとも、ただの好奇心?









・毎朝、通勤に使う電車。
乗り遅れないように少し急いで改札をくぐる。

違和感。

いつもの駅、いつもの時間。
なのにホームには誰もいない。

「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。ただいま電車は約4分遅れて運行しております。」


乗り継ぎ、間に合わないなぁ、、、



しばらくして電車が来る。
遅れている電車は混雑してることが多いけれど
いざ乗車すると、さほど混雑もしていない。

いつもの駅で降りる。
次の電車は、いつもの電車に乗れない。


だって、4分遅れて到着してるから。


なのに
間に合ってる。



いつもの電車に乗っている。


そして
いつもの時間に職場に到着。



あの4分、どこへ消えたんだろう?






そんなとりとめのない話3つ。










12/15/2024, 11:52:27 AM

「今年中にまた会いたいね」
と笑う彼女の住む地域は、冬になると雪が降る。

雪が降れば
バイクに乗れない〜

あなたの地方は雪がふらないでしょ?
いいなぁ〜

って彼女はいつも羨むけれど

僕がいつも会いに行くのは
彼女の住む地方まで行かないと
好きな景色を見る事ができないから。
好きな山道、
好きな海沿い。



適度なワインディングを
彼女の後ろ姿を見ながら走ることが
できるから。




春になればまた走れるさ。


そうは言うものの
季節が一巡りするたびに
身体は衰えていくだろうけれど
抗えるだけの体力はまだまだあるつもり。


春を迎えるためには
冬を越さなくてはならない。

早く冬を越すには

空に溜まってる雪が全部落ちてしまえばいいんじゃないの?

それ、家、潰れるんじゃないの?

だったら一緒に住んじゃえばいいんじゃない?





今年こそ言えるのか?
予想通りの会話など成立した試しはないが
結局のところ
雪を待っている。







2/23/2024, 5:04:44 AM

《太陽のような》

近づけは眩しいし、熱くて
とても長く側にいることはできなくて。

離れれば
あなたの暖かさ、道に迷わないように照らしてくれる明るさを恵んでくれる。

適度な距離が必要なのは
自身の身体が覚えていることなのに
貴方に少しでも近づきたい。



眩しくて歩けなくなっても。

立ち尽くして
この身が燃えて灰になっても。


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