《大事にしたい》
お気に入りと
宝物。
大事にしたいもの、
それぞれにしまってある場所が違うから
お気に入りは一番身近にあって
宝物はしまい込んでいるから一番遠いところにあって。
大事にしたいものは
離さない強さで抱きしめているから
大事にしてるはずなのに
壊れがち。
《時間よ止まれ》
時間よ止まれ。
止まってしまったら?
何もできなくなってしまうよ?
よりも
時間よ戻れ?
やり直したい?
いや、たぶん
やり直せない。
たとえ時間が戻っても
同じ過ちを繰り返すだけ。
なぜなら
時間が進んだ今でも
同じ過ちを繰り返しているから。
過去から何も学んでいないから。
《空が泣く》
「今日の天気は、晴れ時々曇り、ところによりにわか雨があるでしょう。昼過ぎから不安定になりやすく、いきなり雨が降るかもしれません。傘の用意をお忘れなく」
なんやねんな。
だいたい、こんなん天気予報ちゃうっちゅうねん。
ラジオにツッコミを入れながら朝ごはんをいただく。
しばらくすると
ほんとに降ってきた。わりと早い時間帯から。
しかもけっこう激しく。
今年の終戦記念日は雨が降った。
自分が生きてきた中で、何回目の終戦記念日だろうか。
ほんとに今まで雨が降ったこと、あったかぁ?
カラッと晴れてて、暑い日差しの中での黙祷が
記憶に残っている。
この雨を涙に例えるならば
号泣と言えるような。
かつての精鋭たちが
今の日本を憂いて流した涙なのだろうか。
そんなことを思った2023.08.15.
《星が溢れる》
幼い頃に見た夜空が忘れられない。
市内に住んでいれば、夜などは街の明かりで
星の輝きはかき消されてしまうし
夜、外出したところで空を見上げることもない。
専ら星を見るといえば、プラネタリウムを鑑賞する
くらいで、星座を教えてもらっても
ピンとこない。
だいだい、「あの星とあの星をつなぐとね?ほら!」と
教えてもらっても
指さした方角の「あれ」が「どれ」なのかさっばり
わからないから、興味の沸きようもない。
夏や冬になると
母の実家に帰省することが多かった。
前方には海、後方には山が連なる田舎町。
夏でも窓を開けていれば涼しい風が入るので
エアコンはなく、蚊取り線香と蚊帳がある部屋に
寝る。
年頃になれば従兄弟が集まり、たまにしか帰省しない
私たちと会えない時間を埋めるように話込む。
夜更かししている、といったいつもとは違う時間の使い方に大人っぽさを感じながら
窓の外を見る。
真っ暗。波の音だけがたぷたぷと聞こえてくる。
明かりといえば
たまに走り去る車のヘッドライト程度。
空を見上げる。
びっしりの星。星と星をつなげて形を作るなんて
何万通りもできそうなほどの星の数。
蠍座?蟹座?
夏の大三角形?
どこにでもできそう。
何時まで起きていたのか、なんてこともわからないし
従兄弟たちとどんな話をしたのかなんて
覚えていない。
覚えているのは
あの家で、2階の窓から眺めた
宝箱から溢れ出たような数の星。
今は、住む人もいなくなってしまったから
その家に入ることは叶わないのだけれど
願わくばもう一度、あの窓から
深夜に空を仰ぎたいと思っている。
《過ぎ去った日々》
「あの、こんな私にも就職できるでしょうか?」
仕事相談所の窓口で相談した。
「今までやってきたことを書き出してください。
わたしはこの作業を『仕事の棚卸し』と呼んでるんですよ。ほはほ。嫌でも自分と向き合いますから、その中から自分の強みを見つけていきましょう」
自分はできると思っていても
他人にしてみたら
そんなこと、できて当たり前でしょ?
って思われるような気がして
自信もなくて
殻に閉じこもってた。
誰かのSNSを見ては
楽しそうな日常が眩しすぎて
つい、アプリを閉じてしまう。
そんなこともあったね。
順調な時ほど
過ぎ去った日々を振り返ることができるものね。
必死だと
振り返る余裕もないから。
どんな経験も
自身を作ってきたものだから、大切なもの。
過ぎ去った日々を
振り返るのは、死ぬ直前でいい
っていうほど
今を
がむしゃらに生きてる?