スピラ

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11/13/2023, 1:59:11 PM

「また会いましょう……」 
そんな言葉を言わないで欲しかった……
ずっと一緒にいれると信じていたのに…
そう疑わなかったのに……
世界は残酷だ…

人の出会いは"一期一会"…
また会える確率なんてないんだよ。
君はわかってるの……
「僕を一人にしないで……」
そんな言葉は動かない彼女には届かない……
あの日から僕の時間は止まったままだ…
そして僕はそのまま一生を終えた……



学校では一つの噂が流れていた……
「ねぇ、知ってる?学校の近くにある大きな桜がある
神社。夜になると人影があるんだって……」
「えっ……そうなの怖〜。」
そんな噂が流れていました……
『人影……?もしかして…』
生徒たちを見守っていた私は何故かそこに
おもむいていた……
この神社の大きな桜は花が咲かないと有名だった。
なんとなく理由は私にはわかるけど……
なんで、わかるか?
それはこの桜は私にとって思い出の場所だから…
そうあの時からの………
しばらく歩くと人影が見える。
やっぱりそうだ。毎日見ていた姿だった…
あれからもう何百年経っていると思ってるんだろう……
それなのに彼はそこに立っていた…
私は後ろから声をかける……
『また会いましょう!!』
そう言うと彼はこっちを見る……
そして私を抱きしめた。
「やっと……会えた。」
『また、会いましょうって約束したでしょ?』
「うん……。でもやっぱり会えないかもとか
思ってたらここから動けなくなってたんだ(笑)」
『そっか……ごめんね。』
私が謝ると彼は嬉しそうに言った
「ううん。大丈夫だよ。会えたから……」
『でも、やっぱりごめん。あの時私
君よりも先に死んだから…』
そう言うと彼は頭をなでながら言った。
「それは仕方ないよ。また会えたから気にしないで笑」
『強くなったね……私が死んだ時めちゃくちゃ
泣いてたのに……』
「それは、強くもなるよ。あれからもう百年以上
立ってるんだから……」
『そっか…じゃあそろそろあっちの世界にいく?』
「そうだね。そろそろこの子も咲きたいだろうし…」
そう言って彼は桜の木にふれる。
「また、会おうな……」

そうして桜の木が咲き乱れる。
すると二人の影が消えた……


[また会いましょう…]
それは
"約束の言葉"




11/11/2023, 1:44:02 PM

暗闇の中からは抜け出せない………
どれだけ綺麗な翼を持っていても
飛び立てるのかどうかは自分の"意思"しだいだ…
飛びたくても今僕にはその力がない……
だって外の世界は怖い事だらけなのを僕は
知っているから……
もう飛びたくない……

『じゃあ…ゆっくり休んだらいいんじゃない?』
そんな声がした……
暗闇の奥を見ると光に包まれた子が僕に
微笑みかけていた
「休む……」

『そう。君が飛びたいって思う日までその翼を
ゆっくり休ませるんだよ。』
「休ませる……」

『うん……その翼はきっと君が必要な時にきっと
飛びたつはずだから……』

『だから、今は休ませて……ゆっくりしてまた飛べるようになったら飛んだら良いよ。』

「うん……少し心が軽くなった……」
この翼が飛び立つ日までゆっくり休むことにするよ……

          いつか
        飛べるその日まで……

11/10/2023, 4:50:52 PM

「こんばんわ。少し僕とお話しませんか?」
暗い夜を遠回りをして歩いていた私は
そんな言葉が聞こえて
足を止める。
私に声をかけたのはきれいな茶色の髪を持っている
青年だった…
「今日はとても満月がきれいに見えるね……」
彼は私に喋りかける。なんだろう…
「なにか用ですか…」  
彼は私の問には答えず笑いながら
「こっち、こっち。一緒に満月でも見ませんか?
とってもきれいに見えるんだ。」
別にこのあとに何も用事はないし……
帰る気分にもなれない……
怪しいけど少しならいいか…
私は彼の隣に座る。
心地よい風が吹いていて気持ちがいい。
「ここ、とっても風が気持ちいいんだよ。」
彼は笑いながら私に声をかける。
「そうですね…」
ボーっとこの先から見えるススキを
見つめている。
「ここススキがたくさん咲いてるんですね…」
満月と合わさってとても不思議な感じがする。
それにまっすぐ伸びてとても
「かっこいい……」
「ススキがかっこいい?」
「はい……。。2メートルも育ってどんな
地形でもまっすぐに穂をつけて育つの
かっこよくないですか?
それに昔は神楽で使われていたらしいですよ」
私の言葉に青年はびっくりしたように私を
見ている。
なにかおかしなことでも言っただろうか…
「なにかおかしなことでも言いましたか…」
私が問うと彼は嬉しそうに笑って言った。
「ううん。大丈夫だよ。そっかススキがかっこいか……
そんなこと言う人初めてあったよ(笑)」
「そうなんですか?」
「うん。皆あんまり関心を示さないからね。
ここに咲いていても見る人もあんまりいないから…」
「そうなんですね。」
「うん。彼らにはもっと沢山の意味があるのに…」
「花言葉ですね。『生命力』・『活力』ススキに
ピッタリの花言葉ですよね。」
そう言うと彼は驚きながら私をみた。
「君は、すごいね。でもススキにはロマンチックな花言葉もあるんだよ。『なびく心』・『心が通じ合う』・
『憂い』。君は知っていた?」
そんな花言葉があったんだ……
「初めて知りました。すごく良い花言葉ですね。」
「そうだよね。僕もそう思うよ。」
彼はボーっとススキを見つめる。
「そろそろ時間だ……」
彼は一言言うと私にとある事を聞いてきた。
その言葉に私はうなずきながら答えた。
すると一気に風が吹き抜けその青年は消えていた。
彼のいた所にススキの穂が数個落ちていた。


『君は"彼ら"が好きかい?』

「はい。好きです。」






11/9/2023, 7:39:57 PM

脳裏に浮かんだものがいいものばかりだとは
限らない。嫌なことを思い出したり悲しいことを
思い出したりすることもたまにあるけど…
でも良いことやリラックスすることを思い浮かべるのは
その時は少し自分にとってホットする時間なんだなと
思える時なんだろうな……
そんな日が沢山あればいいのにな……