Machi

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12/27/2024, 6:28:07 AM

【変わらないものはない】

変わらないものはないと言っていた君は、ある日突然魂を捨てた。
何でだよとは言えなかった。君が普段から言っていたことだから。
でも、それでも願ってしまう。
変わらないものだってあったはずだと。
君は絶対に否定するだろうけど、僕は信じ続ける。
僕の君への思いは、この先もずっと変わらないままだと。

12/26/2024, 9:58:33 AM

【クリスマスの過ごし方】


〈クリスマスだし、一緒に過ごさない?〉
〈空いてる?買い物どう?〉
〈遊ぼうよ〜〉
〈聖夜はやっぱり俺と過ごすべきじゃない?〉
昨日、沢山の人から来ていた誘いのLINE。
横目に見て下にスクロールしていきながら、琥珀色のカクテルを呷った。
「沢山お誘いがきていたんですね」
「まあね」
所謂ところのバーのマスターが、追加のカクテルを注ぎながら言う。
「良かったんですか?もう日付が変わりましたよ」
私とマスターだけの、静かなバー。
私はカウンターに体を預ける。時折体を少し起こして、もう何杯目か分からない酒を体に注ぐ。
「…なんか……疲れたんだよね。男と会うの。」
職業柄、男の相手をすることは多い。だが最近は億劫になってしまった。
「バーのマスターに性別はありませんか?」
「マスターって性別でしょ。」
気取ったジャズがゆっくりと頭に響く。マスターの声だけが私の脳内にはっきりと聞こえる。
「そうですか。」
12月26日の1:30を指す小洒落た時計を横目に、ふと違和感を覚えた。
「…今日は閉めないの?」
バーにしては珍しく、1:00にはClothの看板がドアの前にかかる店だ。いつも延長してよ〜と強請っているから、間違えるはずはない。
「もう閉まっていますよ。」
「…」
グラスを、まるで人でも扱うかのように丁寧な手つきで拭きながらマスターは言う。
軽く体を傾けて、もうずっと歪みっぱなしの視界の中ドアの向こうを見る。微かにclothの看板が見えた。
「私はお客じゃないの?」
「お客様を一人残して店を閉めるのは、貸し切りという意味ですよ。」
マスターの顔がよく見えない。流石に飲みすぎたと思うが、後悔はない。
「…マスター」
「はい。」
いつもの掛け合い。私が呼んで、マスターが答える。
「私とクリスマスを過ごしてくれてありがとう」
今日初めて、ようやくマスターの顔が見えた気がした。
「…貴方が良ければ来年も一緒に過ごしますよ。」

11/14/2024, 12:04:36 AM

『また会いましょう』



「また会いましょう」
いつか私にそう言っていた貴方と会うことは、二度となかった。
一度も、会いに来てはくれなかった。
その言葉は今も私の体に絡まり、重い鎖として未来を妨げている。
たった一度の出会い。たった半日一緒にいただけ。
それなのに貴方は、私の人生を揺るがした。
もし私に願うことが、祈ることが許されるのなら。
私の祈りは一つだけだ。

11/2/2024, 11:55:34 AM

【眠りにつく前に】


貴方が私を愛するならば
私も貴方を愛しましょう
貴方が私の世界を憎むのならば
私が貴方の世界を壊しましょう
貴方が私より先に眠るのならば
私は貴方より後に眠りましょう

私は貴方の横に座って、冷たくなってしまった真っ白な貴方の頬を撫でる。
そしていつの日か貴方と読んだ詩を静かに呟いた。
私はドレスを涙に濡らして、横においてあった小さなナイフの柄を握る。
「…貴方と…」
声が掠れる。不思議と、恐怖はない。ナイフに月明かりが反射して、美しい夜を映し出す。
どうしても伝えたいことがあった。何度も言おうとして、何度も言えなかった。口を噤んで、その度に自分の決断で私や貴方を殺してきた。
ナイフの刃を喉に触れさせる。じわりと痛みが広がって、ドレスの襟が赤に濡れる。
私は。
大切な貴方と。
優しい貴方と。
私を愛してくれた貴方と。
私に光を与えてくれた貴方と。
あの詩を読んでくれた貴方と。
あの詩を美しいと伝えてくれた貴方と。
「明日を、迎えてみたかった」
私はその輝く鈍色で、また私と貴方を殺した。

10/11/2024, 10:07:53 AM

【カーテン】


カーテンが揺れる。
穏やかな風が流れ、頬を撫ぜた。
明日もこんな風が吹けばいいねと、君は笑った。

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