#12【手のひらの宇宙】
※ほんの〜り同性愛要素を含みます
「…。」
君はさっきからスマホに集中している。
「何?すげー集中してるけど。」
「宇宙について調べてたら止まんなくて…へへ」
宇宙、か…
「考え始めたら無限だよな〜…」
「そう!楽しいよ!」
君の無邪気な笑顔にドキドキしてしまう。
「これこそ手のひらの宇宙?」
「おぉ〜、うまい!」
「ふへっ、!」
いつか行ってみたいな、君と。
#11【風のいたずら】
※同性愛要素を含みます
「風ヤバい!!」
「やっば…」
今日はとんでもない風が吹いている。
君と二人でバス停まで歩いてるけど、お互い足元がおぼつかない。
「うわっ、!」
思わず僕はバランスを崩してしまった。
「大丈夫!?」
すると君は背中に手を回して支えてくれて。
自分の顔が真っ赤になるのが分かる。
「大、丈夫…!」
「よかった…」
しばらく僕の顔の赤みは引かなかった。
#10【透明な涙】
※同性愛要素を含みます
「好きだよ。」
街の人混みを外れたところで、僕は君に言われた。
「え…」
僕は君のことが大好きだ。
だけど…いや、だからこそ。
告白するのは何回も躊躇った。
傍にいるだけでも辛くて、でも楽しくて。
この気持ちを分かって欲しかった。
でも、分かって欲しくもなかった。
そんな矛盾した気持ちでいっぱいで何も出来なくて。
だけど今、この瞬間。
告白された。
「うぅ、ひくっ、ぐすっ…」
僕の頬には、透明な涙が伝った。
#9【あなたのもとへ】
※同性愛要素を含みます
「はっ、はぁっ…」
凍てつくような空気の中、俺はひたすら走った。
俺が目指す場所は…病院。
なんと今まで入院していた恋人が退院することになったのだ。
だけど俺、絶賛遅刻中。
一緒に帰るって約束だったのに、何やってんだ俺…!
「わ、あーおいー!」
病院の玄関で待つのは俺の恋人、柊。
すごい遅れたのに可愛い笑顔を浮かべながら俺に手を振ってくれている。
「柊…っ、ごめん…マジで…」
「いいんだよ、走ってきてくれたの、?」
「ん…」
「嬉しい…!ありがと!!」
君のもとへ走ってよかった。
柊の笑顔を見ると、そう思えた。
#8【そっと】
※ほんの〜り同性愛要素を含みます
「ん、んぁ…やっべぇ…」
二人で勉強会中、君はうたた寝しかけていた。
「寝ていいんだよ?笑」
「ダメ…」
そうは言うものの、もう寝る寸前。
こんなんじゃ勉強なんてできないなぁ…笑
「…すー…」
「あ。」
寝た…
僕は君にそっと毛布を掛けて、その寝顔を見ていた。
ツンツンしてる君だけど…可愛い、かも。