花凪多 .

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5/25/2025, 8:51:48 AM

#48【歌】
※同性愛要素を含みます


「♫♩〜」
僕は放課後、誰もいない屋上で歌っていた。
歌っている時は辛いことも、全部忘れることができたのだ。
ガチャ、背後でドアが開く音。
「きれーな声…」
僕はばっ、と後ろを振り返った。
「は!?うわ、待って終わった終わった…」
「そんな終わんなよ笑 てか俺毎日お前の歌聴いてたんだけど、普通気づかねー?」
毎日。その言葉に僕は後ずさり。
「え…毎日、?」
「そ、毎日。嫌なことあってもお前の歌聴いたら、全部吹き飛んだ。」
「…嬉しい、わ。一応。」
素直に喜ぶのも、なんか嫌だった。
「何一応とか言っちゃってんの笑、顔真っ赤にしてそんなこと言っても、さ。」
図星を突かれた僕は黙り込む。顔が真っ赤だと言われたから、顔も隠した。
「ほんと、なんでそんなに可愛いかな…」

投稿頻度バグってて申し訳ないです…泣
いろいろあって凄い期間サボってました…
とりあえず今日分は投稿しましたのでまた明日!
(多分…)

3/27/2025, 10:17:29 AM

#47【春爛漫】
男子高校生がいちゃるやつです。


「よっ!!」
桜が散る中、君が背中に覆いかぶさってくる。
これが日常。
「ふふ、おはよ。」
「なんでいっつも塩なんだよ〜…」
「慣れてるからね〜」
そんないつもの日常だけど、今日はちょっと特別。
川には沢山の花びらが浮いて、流れていく。
春風に押されながら通る並木道は心地よくて、いつもこうならいいのに、と思ってしまう程。
春爛漫。
「何ぼーっとしてんのー?」
「ん、なんでもない。行こ!」


結構な傑作を前回投稿したつもりだったんですけどデータ消えててメンタル崩壊寸前です😭

3/14/2025, 11:39:55 AM

#46【君を探して】
※同性愛要素を含みます


「っごめ、泣くつもりなかったのに…」
放課後の教室で、君は「自分が分かんない」って泣きついてきた。
「泣こうと思って泣くことねぇだろ?笑」
俺は君の後ろに手を回して、その手で背中をさする。
俺の手には君がしゃくり上げるのが伝わってきた。
「う…ん、笑」
「んで…俺は、今のお前がお前だと思ってる。」
「え、」
君は顔を上げる。
「こうやって泣くの、普通なら恥ずいだろ。しかも人に抱きついてんだよ?」
「あ…そう、かも、」
「ほんとのお前のこと俺と一緒に探そ、な?」
俺たちは君を探しに旅に出た。

3/14/2025, 8:33:39 AM

#45【透明】
※同性愛要素を含みます


僕と君の間には、透明な壁がある。
明るくてクラスの中心である君と、クラスの端で本を読んでいるような僕。
いくらなんでも対比がひどすぎる。

幼なじみなのに。

「お前って暗ぇよな。」
3年前のこと。君が何となく僕に向かって呟いた言葉が頭から離れない。光景も声も何もかも、脳裏に焼き付いている。
この関係を幼なじみと呼ぶのだろうか。
僕は君を好きなままでいいのだろうか。
…君と僕の壁は、消えないのだろうか。

2/27/2025, 8:12:57 AM

#44【記録】
※同性愛要素を含みます


20XX/4/10 きょうはしょうがっこーのにゅーがくしき
20XX/4/23 となりの、せきの人、かぜひいた。
しんぱい。
20XX/5/3 かぜなおったって。よかった。



20XX/4/14 中学の入学式行ってくる。
20XX/5/12 あいつまた同じ時期に風邪引いた笑
20XX/5/17 風邪治ったらしい。でもまだ鼻水垂らしてめっちゃ咳してんのに体育しててマジで心配。
無理すんなバカ。



20XX/4/12 今日高校の入学式。ぼっちになりませんように笑
20XX/5/27 俺が風邪引いた。最悪…
あ、連絡したらあいつ飛んできたわ。看病ありがたすぎ。
20XX/6/1 風邪治ったってあいつに言ったら俺のおかげだな、だって。そん時は「はいはい笑」とか言って流したけどガチでそう思う…笑



「……何これ、!」
君の引き出しから見つけたのは、そんなノート。
「は、お前何見てんだよ……」
君は赤面して僕の近くに来た。
え、ただの日記だよね?
「バレたよな……?」
「ん、何が?」




20XX/2/13 あいつに告った方がいいのかな。
って書いてあったページ。
お前にだけは見られたくない。

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