星が溢れる____
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2023/03/15 小説日記 一瞬なのに一瞬じゃない
体が圧迫され奥へ奥へと押しつぶされる。苦しくて息もままならず、香水や汗の匂い、色々な匂いが小さな箱の中で充満する。口て呼吸をしながらも気持ち悪く、生暖かい感じの空気が全身に流れ込む。
左手にはスマホとパスモを握りしめ、右手には友達の手を握りしめる。離れないように強く掴むが、電車が揺れるたびに足がよろけた。
初めて満員電車に乗った。人が次々に押し寄せ、降りる人は数少なく早くこの状態から抜け出したかった。駅に止まるたびに、何人かの人が降りようと無理やり体をねじり込ませ出ようとする。それに流されまいと必死に友達の手にしがみついた。
あと2駅だ、そう思った途端に「次のお出口は左側です」とアナウンスが入った。私は左側のドアにいる。最悪だとも思いながらスマホとパスモをしまい、手すりを強く握った。
電車が止まり車内のほとんどの人が降りようとしていた。私は流されかけるが手すりにしがみつく。
ムギュ
一瞬なのに一瞬じゃない。
そんな感覚がした。
ドアが閉まり、何が起こったのか
わからないま電車に揺られる。
勘違いじゃない。
偶然じゃない。
気のせいじゃない。
そんなふうに断言できてしまうのが悲しくもあり、気持ち悪かった。生まれてはじめて痴漢された。それがわかった途端に『ありえないでしょ、笑。私が?こんなブスが?w』疑問しか出て来なかった。可愛い子しか痴漢にあわないと思っていたから。
「ねぇ、痴漢されたんだけど笑」
思わず、半笑状態で友達に言う。
「 えぇ、まじか!」
それで、終わってしまった。「大丈夫?気持ちの悪いよね、」そんなことを言ってくれると期待してくれた。でも、しょうがない。この子はこういう子だ。優しく大人しくおしとやか。ちょっと毒舌な親友とはまるで正反対なお嬢様のような子。
しょうがない、とわかっていても笑っていた私の表情は今にも泣きそうな顔に変わる。
あ、そっか。そうだよね。
痴漢ごときで騒ぐ私がおかしんだよね。
一瞬だったし。
これが普通なのだとわかった。
わかってはいけない。
だけど、受入れるしかない。
右側に嫌な感覚が残っている。
気持ちの悪いあの感覚が。
これからディズニーだというのに全く楽しめない。入園前はそうだった。でも、不思議と乗り物に乗るとそのことは忘れることが多かった。だけど、友達と話さないときや、並んでいるとき、帰りの電車のことを考えているときや、食事をしているときはあの感覚がちらついた。そのたんびに電車に乗るのが嫌で嫌でたまらなかった。
20時57分。
駅には沢山の人で溢れてきた。来れども来れども満員になった電車を見送るばかり。入れる気配などなく、わたしたち以外にも次の電車を待つ人がたくさんいた。
満員電車には乗りたくないとずっと思っていたが、これじゃあ乗るのですら困難だ。
21時20分。
ひたすらまっても人は少なくはならない。この電車を乗り過ごしたら30分は待たなくては行けなかった。
私達は体を押し寄せ、なんとか電車に乗ることができた。両手に荷物とスマホを握り締めお尻を隠す。どんなに揺れて周りにぶつかろうとも、友達と離れようとも、絶対に手を動かす気はなかった。
だが、実際はそううまくいかないらしい。駅につくと必ず流されてしまう。そのためとっさに手すりや友達の手を掴み、守れなくなってしまう。壁に背を向けようとしても、壁などなく、人しかいない。
そんなことが何回かあり、朝と同じように2回も痴漢をされた。周りの女子はスマホをいじったり、爪をみたりしている。背中を守ろうともしない。友達もされていないらしく、なぜ私ばかりこんな目にあうのだと投げやりな気持ちになっていた。
されたとき友達に言おうと思ったが、彼女は怒ったり心配してくれるような子じゃない。
「え?!大丈夫??まじでキモいね。クズだね、。ホントに気持ちの悪いよね。気分悪くない?大丈夫?」
そんなふうに、もし親友がいたらと考えてしまう。いつも愚痴を聞くのが疲れてしまうけど、口の悪い親友がちょっと苦手だと感じているのに、今は彼女にばにいてほしい。
乗り換えを終えると
一気に人のいない電車へと変わった。
初めての痴漢をされた上に一日に3回もされた。
それが、今は普通なのかな。
友達に別れを告げ、家に変えるも家族は寝ていた。もし、痴漢にあったら絶対に腹パンして急所を蹴ってやろうと思っていたのに。そんなことできない。一瞬だから誰かもわからないし、そんな暇はない。
一瞬なのに本当は一瞬じゃないんだ。
ただひたすらキモいという感情が残ったまま、
私は眠りについた。
不快に思わせてしまったら本当にすいません。
お題とまったく関係ないのですが、とにかく誰かに伝えたくて書かせていただきました。
両親に言ったらすごく心配してくれましたし、キモいねって一緒に言ってくれました。
一晩寝たら良くなりました。こういう一瞬なのに一瞬じゃないときが少なくなりますように。
君は今____
2023/02/26 小説日記
汗ばんだ手。震える息。全身に鳥肌が立つ。終わると体全身にネバネバとドロドロの黒いものが駆け巡る。いつも、そうだった。いつも映画を見終えると気持ちが悪くなる。いても立っても入れない気持ちになる。そして、どこかに消えてしまいそうにも。
私は親友とカラオケに行き、そのままイオンへと買い物に行った。見るつもりはなかったが時間があまっていたため映画を見ることになった。
映画。なんて、素晴らしく気持ちの悪いものなんだろう。私は、映画が嫌いだ。好きだけど嫌い。
何を見るかと話していると親友は、
言ってはほしくない言葉を口にした。
『すずめの戸締まり』
始まってから約40秒。手の震えが止まらなかった。全身が身震いを始め手汗が出る。音が鳴り響きビクッとはねる。私は強く強く手を握りしめ叫びたい衝動を抑える。
映画を見ている途中何度も何度もその瞬間があった。逆に普通に見られていた時間のほうが圧倒的に少ないかもしれない。
私は、何度も何度も涙を流しながら手を握りしめ、なんとか映画を見終えた。映画館をそそくさと出ると、全身に黒いわだかまりのようなものが走る。泣き叫びたくなる。
今までで一番やばい。そう自分でもわかった。
なぜ、自分はこんな体質なのだろうか。なぜ素直に大好きな映画を楽しめないのだろうか。私はまた涙を流した。親友に心配されたが、映画に感動しただけだよ、と親友にはぐらかす。
幼い頃からジブリや細田守監督の作品を見るとモヤモヤが残るようになった。でも、その頃はみんな同じ思いをして映画を見ているんだと思っていた。
しかし、小学三年生。信じられないぐらいの気持ち悪さが襲い、私は映画が終わるとすぐそばのトイレへ駆け込み胃にあるもの全てを吐き出した。
『君の名は。』それは、信じられないぐらい気持ちの悪い作品。ということは信じられないぐらいいい作品だということ。こんなに感情を揺さぶられる映画は初めてだった。
トイレから出ると『君の名は。』をみた人たちが笑顔で帰っていく。面白かったね、だとかすごくきれいだったね、だとか。そんな脳天気な感想を言い合っている。
どうして?
どうして普通でいられるの?
なんで気持ち悪くないの?
なんで泣き叫びたくならないの?
その時初めて気がついたんだ。
自分はおかしのだと。
『天気の子』は映画館では見れなかった。私は、新海誠監督の作品や細田守監督の作品が死ぬほど好きだ。DVDもグッツも持っている。それでも、そのDVDは一度も見たことがない。『君の名は。』も買ったけれど見なかった。見れなかったんだ。
エモかったり
幻想的だったり
神秘的だったり
綺麗だったり
感情だったり、
朝方や夕暮れ、
誰もいない町や駅、
廃墟になった遊園地や
自然に包まれた森や海。
そういうものが人一倍好きな自信がある。学年の中でも周りからエモい鑑定というものを頼まれたりすることが多い。
それなのに、そういう映画や映像、音、文字を読むとどうしようもなく吐き気がする。
だから、音と映像が気持ちの悪いほど素晴しい新海誠監督の作品は一度しか見れなかった。そして、映画館で見るのはやめようと決めていた。
なのに、今日、6年ぶりに映画を見てしまった。でも、成長したせいか吐くことはなく、ただただ感情がぐるぐると体を駆け巡っていた。
どうして、こんな体なんだろう。
なんで、感情が揺さぶられてしまうんだろう。
私は、ただ、
映画を楽しみたいだけなのに。
0からの____
君の前前前世から僕は
君を探しはじめたよ
そのぶきっちょな笑い方をめがけて
やってきたんだよ
君が全然全部なくなって
チリヂリになったって
もう迷わない
また1から探しはじめるさ
むしろ0から また宇宙をはじめてみようか
同情____
2021/08/31 小説日記
優しいとは穏やかで柔らかな感じを与える有様だ。とGoogleは答えた。
私には、ピンとこなかった。
優しさってどこから優しさのかな。
みんなは、言う。私は優しいと。
でも違う。毎回、その言葉が出てくるたんびにモヤッとなる。だって本当は、優しくないのだから。自分では、優しくしている覚えがない。私がなにかしたときには、優しいと言う。でも、その私がした行動は、優しくない。だってみんなもやっている。優しさとは、どこからなんだろうか。お節介とはどこからなんだろうか。きっと人によって違う。優しさの境界線もお節介の境界線も。
私は、人に優しくできていない。どれだけ優しいと言われてもそれが本当の言葉とは思ったことがない。だってみんなやっているんだから。
約一年前班で、一人ずつ長所を言い合った。5人中なんと全員一致の「優しい」。
それ以外の長所は、なかった。あ。私はそれしかないんだと。薄々感じていたことを突きつけられたようだった。きっと優しさなんてなんの役にも立たない。
私の優しさの意味は、
同情。
同情から優しさは生まれる。
でも、本当に優しい人の優しさの意味は、
勇気とか強さ。
例えば、誰かが、いじめにあっているとする。その人を助けようとするが、助ければ自分もいじめられる。そんなとき、同情と、勇気。どちらかが勝つかが、本当に優しいかを決める。私は、きっと助けられない。
私は、同情から芽生える優しさだ。弱い優しさなんて、この世にないほうがいい。
私の長所が、同情からの優しさしかないのなら、それ以外の長所がないのなら、
勇気から芽生える優しさがほしい。
じゃないと今の私の長所は、なくなる。
いつの間にか私は、悪口も陰口もいえなくなっていた。私は、勇気から芽生える優しさも少し手に入れた気がした。
でも、私は、また勇気の種をこぼした。強いグループには当然悪口がある。私が入った強いグループは、悪口ばかり。
言うな。言ったら勇気の優しさがなくなる。
でも、私は、言ってしまった。言えるようになってしまった。悪口を言わなければいい子ちゃんぶってると仲間はずれにされるのを恐れて言ってしまった。私の手から勇気の種はなくなっていった。そして、どんどんどんどん同情の種が私の手に溢れんばかりに降ってきた。
人はそれぞれ。悪口を我慢できない人もいる。それを我慢していると苦しい人もいる。そんなふうに色々な目線から見ると仕方がないと思ってしまうようになった。
だってそうじゃないか。きっと大嫌いな人からなにかされたら言いたくなる。その大嫌いな人がどれだけ嫌いかも人それぞれ。ムカついたり傷ついたりする大きさも人それぞれ。
私は、その人の性格やプライド。心の大きさや弱いところ、強いところを確認しその人になりきったつもりで、その人からの目線で見ると、悪口を言わずにはいられないのかもしれない。そう思うようになってしまった。
でも、私達も中学生。
我慢というものを覚えるべきだとも思った。
だけど、私には歯向かう勇気の種なんてなかった。
所詮、私の優しさは、同情の種から芽生えた真っ黒な花の優しさ。
いつになったら勇気の種から芽生えた真っ白な花が私の手から咲くんだろう。
お気に入り____
・「ネット」っていうもう一つの世界
・「ネット」っていうニセモノの世界
・「大丈夫」っていう魔法の言葉
・「大丈夫」っていう呪いの言葉
・「卒業証書」っていうレシート
・「合格通知」っていうチケット
・「夜」っていう自由の時間
・「昼」っていう地獄の時間
・「友達」っていう心の支え
・「友達」っていう心のトゲ
・「感情」っていう心の笑い声
・「感情」っていう心の叫び声
全部、好きなような、嫌いなような、もの。