同情____
2021/08/31 小説日記
優しいとは穏やかで柔らかな感じを与える有様だ。とGoogleは答えた。
私には、ピンとこなかった。
優しさってどこから優しさのかな。
みんなは、言う。私は優しいと。
でも違う。毎回、その言葉が出てくるたんびにモヤッとなる。だって本当は、優しくないのだから。自分では、優しくしている覚えがない。私がなにかしたときには、優しいと言う。でも、その私がした行動は、優しくない。だってみんなもやっている。優しさとは、どこからなんだろうか。お節介とはどこからなんだろうか。きっと人によって違う。優しさの境界線もお節介の境界線も。
私は、人に優しくできていない。どれだけ優しいと言われてもそれが本当の言葉とは思ったことがない。だってみんなやっているんだから。
約一年前班で、一人ずつ長所を言い合った。5人中なんと全員一致の「優しい」。
それ以外の長所は、なかった。あ。私はそれしかないんだと。薄々感じていたことを突きつけられたようだった。きっと優しさなんてなんの役にも立たない。
私の優しさの意味は、
同情。
同情から優しさは生まれる。
でも、本当に優しい人の優しさの意味は、
勇気とか強さ。
例えば、誰かが、いじめにあっているとする。その人を助けようとするが、助ければ自分もいじめられる。そんなとき、同情と、勇気。どちらかが勝つかが、本当に優しいかを決める。私は、きっと助けられない。
私は、同情から芽生える優しさだ。弱い優しさなんて、この世にないほうがいい。
私の長所が、同情からの優しさしかないのなら、それ以外の長所がないのなら、
勇気から芽生える優しさがほしい。
じゃないと今の私の長所は、なくなる。
いつの間にか私は、悪口も陰口もいえなくなっていた。私は、勇気から芽生える優しさも少し手に入れた気がした。
でも、私は、また勇気の種をこぼした。強いグループには当然悪口がある。私が入った強いグループは、悪口ばかり。
言うな。言ったら勇気の優しさがなくなる。
でも、私は、言ってしまった。言えるようになってしまった。悪口を言わなければいい子ちゃんぶってると仲間はずれにされるのを恐れて言ってしまった。私の手から勇気の種はなくなっていった。そして、どんどんどんどん同情の種が私の手に溢れんばかりに降ってきた。
人はそれぞれ。悪口を我慢できない人もいる。それを我慢していると苦しい人もいる。そんなふうに色々な目線から見ると仕方がないと思ってしまうようになった。
だってそうじゃないか。きっと大嫌いな人からなにかされたら言いたくなる。その大嫌いな人がどれだけ嫌いかも人それぞれ。ムカついたり傷ついたりする大きさも人それぞれ。
私は、その人の性格やプライド。心の大きさや弱いところ、強いところを確認しその人になりきったつもりで、その人からの目線で見ると、悪口を言わずにはいられないのかもしれない。そう思うようになってしまった。
でも、私達も中学生。
我慢というものを覚えるべきだとも思った。
だけど、私には歯向かう勇気の種なんてなかった。
所詮、私の優しさは、同情の種から芽生えた真っ黒な花の優しさ。
いつになったら勇気の種から芽生えた真っ白な花が私の手から咲くんだろう。
2/20/2023, 10:18:52 AM