どこまでも続く青い空
早苗「空が青いなあ」
翔吾「そうだな」
早苗「どこまでも青い」
翔吾「雲がないからな」
一ノ瀬「な、なんて気の抜けた会話なんだ……!?」
栢山「のどかだなあ」
衣替え
早苗「秋だ! 学校だ! 衣替えの季節だ!」
翔吾「見りゃわかる」
早苗「おっとショーゴくん。ダメだぞ。野暮な事を言うのは」
翔吾「それ以外に言うことねえぞ」
早苗「あるだろ。もっとこう……」
翔吾「急に固まるな」
早苗「……なんてこった。ショーゴくん。僕はなんてつまらない事をしたんだ」
翔吾「何がだよ」
早苗「衣替えだぞ。もっとこう、普通にブレザーじゃなくて別のものを着れば……」
翔吾「担任の胃に穴が開くからやめろ」
眠りにつく前に
眠りにつく前に、君と話ができたらいいな。
それだけで今日は良い一日だったって思って眠れるんだ。これほど幸せなことって、多分ないだろう?
永遠に
早苗「この世界に永遠と言えるものはあるのだろうか」
翔吾「またえらく哲学的なものを言い出すな」
早苗「哲学的。そう、哲学的に言えばこれは永遠と言えるものが存在するのかという問いは永遠に存在するのかと言えて――」
翔吾「やめとけ。その言い回しだとバカっぽく聞こえっから」
早苗「は〜! 僕がバカだって言いたいのかい? だったらそんな僕の話にいつも付き合う君は大バカ野郎って事じゃないか!」
翔吾「そうかもな」
早苗「ぎっ」
翔吾「なんだその声」
早苗「き、君、自分が言っていることをきちんと理解しているのか!? ああもうなんだよ調子狂うなあ!」
一ノ瀬「あの二人また夫婦漫才してんね」
栢山「永遠にやってろ〜って感じ?」
些細なことでも
早苗「ショーゴくん、君、どこか調子が悪いとかそんな事はないかい?」
翔吾「は? そんなことねーけど」
早苗「本当か? その割にはどこか覇気がないぞ」
翔吾「いつも通りだろ」
早苗「いや、違う。君はいつもならもっと眉間に皺がよる。だが今日はそこまでよってない。しかも僕に話しかけるときはもっとこう、声にはりがあるんだ。だが今日の君からは少し、かたいというか疲れているような声に聞こえる。絶対君、なにかあっただろう?」
翔吾「なんつーか、よく見てんな」
早苗「そうだよ。君の頭の先から爪の先まで、どんな些細なことでも僕は見つけられるんだ。だから、教えてほしい。なんで今日の君は元気がないのか」
翔吾「あー、寝不足なだけだよ」
早苗「本当か? 熱があるとか風邪を引いたとかじゃないんだな?」
翔吾「おー。単に誰かさんと話してたあとで風呂はいって寝たらいつもより寝る時間が遅くなっただけだ」
早苗「……昨夜、君は僕と電話してたよな?」
翔吾「そうだな」
早苗「なんてこった。僕が君の健康を憂慮しなかったばっかりに君がこんなにも不健康になってしまっただなんて……!」