テーマ 大事にしたい
「セカイのモノには種類があるんだ。」
夜に帰り道を歩いていたときにどこからか聞こえた。
「え、なになに?」
一人、少女のような声がかすかに聞こえた。
「盗み聞きは許されないよ」
また一人、少年の声が聞こえた。
じゃあ駆け足で帰ろ。と思って家まで駆け足で帰った。
けど、
「じゃあ話し始めるね。」
駆け足でもそのような声がはっきりと聞こえた。だから走った。
でも、
「物の種類は二つに別れるよ」
聞こえる。聞こえる。もういいや、と諦めて歩いて帰ったとき、
「イキテイルモノㇳイキテナイモノニネ」
化け物のような、聞いたことのない声が聞こえた。
「でも、ニンゲンは特別なんでしょ?」
「そーそー」
「そーいやニンゲンってこのセカイに案外存在してないらしいね」
「だから居たら、ましてやこのことを聞いていたら」
「「殺してあげなきゃ」」
「..っは」
「「あれ?聞いちゃったようだね」」
夜で暗くて人物が見えない。ましてや人型ではないかもしれないモノが僕を見てる。
「「じゃあ来世で〜」」
グシャっと人が潰れた。
「ニンゲンハタイセツニシテイカナイト」
「「あっそうだったね〜」」
忘れてた。
だって僕達の大切な、
食材だもん。
おわり
テーマ 本気の恋
「大好きだよ!」
その言葉は人を惑わす。
「大嫌い」
この言葉は人を絶望へ落とす。
「君が好き"だった"よ」
後悔は付きもの。もう戻れない。ロードなんかできやしない。
「そんな君の物語。」
初めてみる?
大丈夫、僕がついてる。
じゃあ新しく始めるでーーーーーーーーーーー
そんな夢を見た。おかしな夢。
「『大好き"だった"よ』なーんてね」
鏡の少年少女が口を揃えて言い、僕を見て笑っていた。
「このセカイにハッピーエンドなんて存在しないのに。」
一人の人間はその言葉に気付かず生きていく。
おわり
テーマ 喪失感
幸せなんて無かった。
僕のようなただ影にいる子供は世間からの光を浴びたことなんて無かった。怒鳴りつけられ、怒られて、ただただ過ぎ去ってほしい日々が続いていた。
「こっちの世界においで?」
一人の子どもが言う。僕にはそっち側へ行く権利などない。
でも、一歩踏み出そうとした。
「「「お前なんか」」」
「「「なんで」」」
「偽善者なのにw」
一人の少女が僕を見て笑っていた。
憎かった。僕の気持ちなんか知らずに、他人の言葉を信用して僕のことを嘲笑っているのが。
羨ましかった。そんな笑い話のように過ぎていく毎日が。
「取り返しが付かないや..w」
真っ赤に染まってる一人の少女。息はもう無い。
決めた道だから戻らない。いや、戻れない。
おわり
テーマ きらめき
「おっはよ〜!」
みんなから好かれているあの子。
「...なに」
無口なあの子。
みんなにはちゃんと個性がある。
僕にはないや笑。
「おはよ〜!」
元気に接したり、
「..なんだよ」
無口になったり、
頑張ったの。頑張ったの。でも、無理なの。
「偽物」「パクリ」
じゃあ僕はどう生きればいいの?。
個性のないただ影のない僕を
救うことはできないの?
おわり
テーマ 不完全な僕
「今日どっか行こーぜー」
「いいよ〜」
「じゃあーーーーーーー」
「ーーーーwーーー?ーーw」
偽りの笑顔を自分に貼り付けて、
「w」
笑って、
「あぁ」
悲しんで、
「おぉ!」
驚いて、
ナニがしたいの?
「君に言ってるの。」
僕?
「そう。君。」
「僕のようなレプリカには君の気持ちなんて分からない。けど、ずっと仮面を被って生活していたら息苦しんだよ!!!!」
残念だが僕には君の気持ちが分からない。
「ああ。そうだろうよ。この僕の気持ちなんて君は分からない。レプリカで、人形で、操られているやつの気持ちなんて分かるわけないよな」
そうかもね。
「だから、もう僕は消える」
は?
「偽りを持って生きている僕は捨てる。」
「さよなら。偽りの仮面を被った僕。」
心の何処かが消えた気がした。
おわり